地権者ら補償求める 工事遅延の経緯説明 竹アラ地区ほ場整備
宮古島市農林水産部(石川博幸部長)は10日、下地上地の上地構造改善センターで、竹アラ地区ほ場整備が大幅に遅延している経緯についての説明会を開催。当初の見通しが甘く変更が相次いだことを説明し、作付けできない状況が続いていることを謝罪した。工事が終了しているほ場については、農道との段差を解消し速やかに引き渡す方針を示したが、地権者の憤りは収まらず、遅延で失われた収入の補償を求める声が相次いだ。
竹アラ地区は2021年度に、1工区の工事を開始。当初の契約金額は7848万円で、同年度中に4・6㌶の処理を完成させる計画だった。水はけが悪い要因である粘土層の搬出やそれに伴う別の地域からの土砂・基盤材搬入が必要になり、予算を9929万円に増額。基盤造成までで終了した地点も多く、未施工の場所も残った。
22年度は当初、1工区2933万円、2工区9314万円の計1億2247万円で工事を契約。1工区の残り部分も含め、計9・3㌶の工事を完了させる計画を立てた。ところが1工区では沈砂池など排水性向上工事、2工区では粘土の搬出など多数の変更が発生。いずれも未施工の地点が残る事態となった。
同地区では灌がい施設整備も行われることになっているが、ほ場整備の遅れがこちらにも影響している。当初は24年度中に完成する計画だったが、今年度中に実施設計を行い、24年度から着工するという。
工事が完了したほ場もあるが、農道との間に大きな段差があるという問題が残っている。アスファルト舗装を施した農道完成は灌がい工事終了後になるが、市は仮の措置を行って今期の夏植え開始までに急ぎ引き渡したい考え。
石川部長は「工期が大幅に遅れ作付けができず、ご不便とご心配をおかけして誠に申し訳ない。一日も早く皆様に引き渡せるよう、全身全霊で取り組んでいきたい」と陳謝した。
耕作ができず収入が得られない状態が続いている地権者からは、多数の不満が噴出。延期期間の補償などを求める声が上がった。