港から空港まで一体化 平良地域、拠点を機能分担し整備
宮古島市(座喜味一幸市長)は現在、平良地域の各重要拠点で、観光・商業・住環境など機能を分担した整備計画・構想を進めている。海の玄関口である平良港から空の玄関口である宮古空港までを、市の骨格軸と規定し、拠点間の連携強化や一体化を目指すもの。平良港では国際クルーズ船の受け入れ体制強化、中心市街地では官民連携での活性化や旧平良庁舎利活用、市役所周辺では定住に向けたまちづくりなどに取り組む。
港湾地区では、国際クルーズ拠点からトゥリバー地区までを対象とした「第1期みなとまちづくり基本計画」を策定。差し迫っている観光客の増加に対応するため、受け入れ施設整備やオーバーツーリズムを回避するためのスムーズな交通分散などに取り組む。
観光客を対象とした商業施設やレストランの誘致を目指すほか、情報発信の強化も図り、観光拠点にふさわしいにぎわいを創出する。また、歩いて楽しい沿道空間を整備。歩きやすいまちづくりにより、みなとまちの活気を市街地に波及することを目指す。
中心市街地ではこのほど、官民が連携した活性化協議会を設立。内閣府の認定の下、国からさまざまな財政的支援が受けられる基本計画策定に向けてのもの。2024年4月の申請を目指している。
市街地を「高揚感と活気のあるまち」として再整備することをテーマに掲げる。策定に向けての基本方針は①中心市街地とみなとまちの連携による満足度の高い交流機会の提供②訪れやすく、多彩なサービスを心地よく楽しめる商業空間の形成―など。
市街地にある旧平良庁舎に関しては、協議会とは別に、民間資金を導入した利活用計画が進んでいる。関連条例が市議会の6月定例会で可決され、近く実施計画が策定される見込み。
市役所周辺を巡っては、今月末に座喜味市長への基本構想答申が行われる予定。「みやこ エコアイランド・交流・チャレンジ!」を未来像に、子どもから高齢者まで多世代間の交流の場となる定住に向けたまちづくりに取り組む。
行政機能の集積や快適な住環境整備のほか、魅力ある公園機能導入を検討。また長期的に行政と市民が協働し、「育てる」まちづくりを掲げている。