ループバスが運行開始 今年度は新城海岸経由
市街地と観光地や宿泊施設などを結ぶ宮古島ループバスの2023年度実証運行が14日から始まった。北小前を起点に島の南西方面を通って東平安名崎を折り返すルートで来年1月31日まで運行する。今年度はルートの一部を変更して新城海岸を経由し、市街地の停留所を3カ所増やした。前年度はレンタカーの不足などから大幅に利用者が増加しており、2次交通不足の緩和や高齢者の移動手段としても活用が期待される。
ループバスは観光客の受け入れ体制強化を踏まえたバス交通の利便性向上などに関する調査を目的に、2023年度観光循環バス自走化実証事業として市が委託した総合商社の双日、中央交通バス、宮古協栄バス、八千代バス・タクシーが運行する。25年度には補助金に頼らない民間が運営する自走化を目指しているが、観光関係者からは前倒しでの実施を求める声もある。
実証内容は▽長期的な運行で市民や観光客の観光循環バスのニーズ、課題把握▽旅行代理店や市内宿泊施設と連携した利用促進▽望ましい運行ルート、ダイヤおよび料金の再検討│となっている。
ルートは北小前を起点に公設市場やマティダ市民劇場、腰原公民館、市役所、宮古空港、商業施設、下地や来間島、上野の観光地や宿泊施設などに停車、前年度はインギャーマリンガーデンから南海岸線を通ったが、本年度は城辺の砂川、城辺小前、新城海岸、吉野海岸などを経由する。
料金は普通乗車券が1回500円で、従来の全区間一律料金から一定区間を過ぎると800円になるため、乗車時に整理券を取って降車時に支払う。島民割引乗車券(1カ月定期券)は1000円。今後の自走化に向けて企業・団体に1日券50枚セット(5万円)の購入に協力を呼び掛けている。
22年度の乗降客数実績(8月10日~2月28日)は6万4286人、1日当たりの平均利用者数は323人で前年度の約3倍に増加した。主な要因として観光客向けの周知が進み、新型コロナの行動制限解除による観光客の増加に伴うレンタカー不足、免許返納者や免許を持たない若者の利用増、市内ホテルとの連携による宿泊者及び従業員の利用増加、旅行代理店での乗車券の取り扱い開始などを挙げていた。