大容量光海底ケーブル整備完了 通信3社、今月から運用開始
【那覇支局】沖縄セルラー電話、NTT西日本、ソフトバンクの通信3社は13日、宮古島、沖縄本島、石垣島、久米島を結ぶ大容量光海底ケーブルの共同整備事業が完了し、今月から運用を開始したと発表した。ケーブルは5G(第5世代移動通信システム)などの高速大容量通信、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、DX(デジタルトランスフォーメーション)などによる産業の多様化、地域社会の活性化(地域創生)を実現する持続可能な社会を支えるとともに、地震などの大規模災害に備えた安定的な通信サービスを確保する重要なインフラになるとしている。
3社は2022年1月に沖縄セルラーが主導する形で宮古島、沖縄本島、石垣島、久米島をループ構成でつなぐ総延長約1010㌔㍍の光海底ケーブルの共同整備に関する基本協定を締結。県とNTT西日本が保有する宮古島―石垣島間、沖縄本島―久米島間の既存海底ケーブルに大容量沖縄離島光ケーブル(YUI)を新設し、ループ構成で整備した。新設したのは、約460㌔㍍の沖縄本島―石垣島光海底ケーブル(YUI―1)、約260㌔㍍の久米島―宮古島光海底ケーブル(YUI―2)と石垣海底線陸揚局。ループ構成により災害などで一部に障害が出た場合でも機能が維持できるとしている。3社が共同で事業を行うのは全国で初めてとなる。
3社は共同整備後、基地局の整備も進める。5Gエリアを広げ、IoT、DXの推進を加速させ、独自サービスの拡大・充実を図り、快適・便利な通信環境提供に寄与していくとしている。
13日、県庁で記者会見した沖縄セルラー電話の菅隆志社長は「新しいライフスタイルをサポートし、県経済の発展と社会課題に対応する、災害に強い強靭なネットワークの構築を進めていく」、NTT西日本の桂一詞常務は「重要なインフラを守り、運用していく役割を担って沖縄の発展に寄与していきたい」、ソフトバンクの佃英幸専務兼CTOは「DXの進展、5Gの拡大を進め、沖縄の皆さまにより良いサービスが提供できるように推進していきたい」とそれぞれ話した。
同日、県庁で報告を受けた玉城デニー知事は「海底ケーブルは離島におけるこれからの生活や事業などの安定に欠くことのできない重要な社会基盤の1つ。都市部と同等の通信環境が整うことは離島の魅力と合わせて産業展開が促進されることが期待され、県全体の活性化になる」と話した。