民児委員に事業を説明する立野さん(左から3人目) =平良下里のペンション華

若年者支援で意見交換 「はなまる弁当」を視察 民生・児童委員

 宮古島市平良第二民生委員・児童委員協議会児童福祉部は5日、平良下里のペンション華に、「はなまる弁当」を視察。スカイネット(本社札幌市、立野奨取締役)が運営する事業で、ひきこもりや不登校の子どもたちに就労機会を提供し、社会参加を促進しているもの。委員らは子どもたちが弁当づくりに取り組んでいる様子を見学するとともに、通信制高校・島の高等学院の根間玄隆学院長らと若年者の支援に向けて意見交換を行った。
 スカイネットは不登校やひきこもり、生活困窮世帯など、社会的に弱い立場にある若者の社会的・経済的自立を支援する事業に取り組んでいる。宮古島市では5月から、ペンション華の厨房を借りて弁当販売業を開始。「はなまる」という名前の由来にもなっている。
 立野取締役は「朝と夕は宿泊客のために食事を作っているが、昼は空いているからと場所を提供していただいている。私たちが宮古島で事業が出来ているのも、高等学院の根間さんなどの協力や、市議会議員の後押しのおかげ」と感謝した。この日の視察には、市議の池城健、久貝美奈子の両氏が同席。
 ペンション華の小室美也子マネージャーは「私たちも障がい者の雇用に取り組んでいる。社会的弱者の支援という点で立野さんと共通した思いがあり、何か協力できることがあればと話が進んだ」と説明。
 島高の根間学院長は「生徒の9割ほどは、中学校時代に不登校などの経験がある。はなまる弁当さんなどさまざまな事業者で働かせてもらっているが、内向的だった子どもたちが明るくなっていく」と話す。「働いて認められるという成功体験をすることで、『大学に行きたい』など、自分のやりたいことを発信できるようになった。これからも協力していきたい」と語った。
 毎日約70食を作っているが、予約注文や訪問販売で連日完売しているという。子どもたちは調理だけでなく販売も担当。割り箸を入れる袋には、子どもたちが一つひとつ手書きのメッセージを添えている。
 平良第二協議会の與那覇教子部長は「宮古にこんな素晴らしい施設があることに感動している。ほかの部会にも内容を伝え、民生委員・児童委員の活動内容周知や研修会の開催など、地域に根差した活動を強化していきたい」と話した。

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