規約改正などを承認した宮古上布保持団体の定期総会 =市役所3階会議室

準会員導入し製作支援 宮古上布保持団体定期総会

 宮古上布保持団体の2023年度定期総会が27日、市役所3階会議室で行われ、団体規約を改定して新たに準会員制を導入した。正会員は宮古上布製作30年以上の経験が条件となるが、高齢化に伴い会員が減少しており、苧麻糸が不足する現状では研修修了後に上布を織れるか非常に厳しいことから、将来の伝承者確保のため経験を積む間の製作活動を支援していく。役員改選も行われ、代表には新里玲子さんが再任された。
 規約では▽伝統的な宮古上布の製作に30年以上の経験を有し、各工程で優れた技術を有する▽30年未満でも会員が優れた技術を有すると認め、理事会の推薦がある▽宮古上布の保存に関して豊富な見識を有する│人を会員としているが、今回の改正で準会員として「宮古上布の製作に継続性を持ち、技術の伝承に意欲的であり、理事会の推薦があった者」を追加した。
 会員は18人(4月10日現在)だが、技術の習得に長い年月を要する宮古上布だけに平均年齢は約70歳と高齢化が進んでいる。同団体の伝承者養成研修を修了しても、宮古上布に適した苧麻糸を個人で充分に確保するのは困難なため、会員になるまでの期間の製作活動を保持団体がサポートし、技術の習得と経験を積ませていく他、団体の活動にも参加しやすくする。
 新里代表は「どうしても会員が高齢化していく。織りの環境が厳しく、なかなか継続して技術を深めていくのが難しくなっている。未来の会員を目指して伝承者養成研修を終えた人、あるいは意欲のある人を支援できるようにしたい」と準会員制の必要性を説いた。
 規約改正では代表代理を1人から2人に増員し、事務局長を理事から外して会計兼任にした。
 新役員は次の通り。
 ▽代表=新里玲子▽代表代理=砂川猛、島袋朝子▽理事=下地達雄、豊見山カツ子、砂川美恵子、上原則子▽事務局長(兼会計)=梶原健次▽監事=上地栄作、儀間博

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