苧麻栽培コースを新設 23年度事業計画など承認 苧麻績み保存会総会
宮古苧麻績み保存会(漢那明美会長)の2023年度定期総会が20日、市役所3階会議室で行われ、新年度事業計画などを承認した。今年度の苧麻糸手績み技術者養成事業は初・中級講座で計85人の研修生が受講している。苧麻生産量の減少に伴い、原料自給のため中級講習に栽培ブー引きコースを新設した。普及啓発事業として新たに夏休み親子体験などを計画している。
漢那会長は「苧麻糸手績みが国の選定保存技術に選定され、保存団体として苧麻績み保存会が認定されて20年になる。今後も技術の伝承と保存、研修後の定着などに努めたい」と伝承への決意を新たにし、「市歴史文化資料館に苧麻績み展示室が開設される予定。市教委が準備を進めている」と報告した。
事務局長の梶原健次市生涯学習振興課長が「指定から20年が経過した。この技術は国が認めた文化的に非常に高い価値あるもので、個人であれば人間国宝に相当する高い技術を集団として保持している。課題も多いが一人でも多くの技術者に伝えてほしい」と述べた。
23年度養成事業の初級講習では圏域18教場で計78人が苧麻手績みの基本的な5工程を学ぶ。7人が受講する中級講習は苧麻の生産量が減少傾向にあることから栽培ブー引きが新設され、生産者のほ場で栽培方法の実習を行っている。初級講習の修了生によるブーンミ会場は3カ所で行われる。
普及啓発事業の夏休み親子体験では苧麻という植物を知ってもらい、刈り取りから撚り掛けまで糸ができるまでの工程を行う。多良間村コミュニティーまつりでの苧麻績み体験、市民向け苧麻績み講座も開催していく予定。
22年度養成事業の初級講習は18教場で研修生は56人。新型コロナ感染拡大の影響で7月19日から全面休講となり、感染が落ち着いた9月から12月は教場巡回を行った。中級講習は3人、講師育成を目的とした上級講習は3人が受講した。