乾杯する基隆市の邱佩琳副市長(左)と座喜味市長 =平良西里のレストランのむら

ヨット通し交流深める 台琉親善国際レース

 第19回台琉友好親善国際ヨットレースの交流会が14日、市内のレストランと公園の2会場で開かれた。宮古島市と姉妹都市提携を結ぶ台湾の基隆市からは、邱佩琳副市長らが来島。市の官民関係者と親睦を深めた。出場選手たちは荷川取漁港内の公園でパーティーを楽しみ、15日に宮古で実施される最終ラウンドに向けて英気を養った。市から出場している「ティダアゲイン2」は、第1ラウンド3位、第2ラウンド2位とここまで好成績を収めている。
 レースは基隆市と宮古・石垣間で1年おきに開催されており、市が会場となるのは6年ぶり。実行委員長の渡真利将博さんは「コロナ禍の中断などで19回目だが、大会が始まって今年で25年目になる。基隆市と姉妹都市提携を結んだのもこのレースがきっかけだった」と振り返る。
 その上で、「台湾の人々は宮古にものすごく期待している。コロナ禍で関係が薄れてしまった部分もあったが、ヨットを通して再び交流が盛んになり、両市のさらなる発展につながることを願う」と話した。
 レースは基隆市・基隆宮古間・宮古島市の3部構成。市から出場している「ティダアゲイン2」は、ここまで3位・2位と健闘。船長の奥平幸司さんは、「ヨットで黒潮を超えて台湾から宮古まで来るというのは本当に大変なこと。実際に黒潮を体験すると分かるが、海の中を川が流れている」と語る。「琉球王朝時代の人々もこの海を航海していたのだと、先人の苦労と凄さに感服する思い。沖縄の伝統を次世代に継承していきたい」と述べた。
 市内では14日夕方強い雨が降っていたため、野外の選手交流会は開催が危ぶまれたが、開始直前にぴたりとやんだ。国内外の選手たちがバーベキューを楽しんだほか、伊良部漁協が取れたてのマグロをさばいて振る舞った。また、レオクラブバンドの子どもたちがクイーンの曲を熱唱し、会場を大いに盛り上げた。
 レストランでの交流会には両市の幹部職員や市議団のほか、商工会議所や宮古島漁協など官民からさまざまな関係者が出席。座喜味市長が「基隆市とは兄弟のようなもの」と語るなど、さらなる交流の活発化に向けて親睦を深めた。市は現在、下地島空港への台湾直行便誘致に向けて官民を挙げて取り組んでいる。

交流会でバーベキューを楽しむ選手たち=平良荷川取の公園

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