地域と一体で経済振興 沖縄公庫、官民関係者と意見交換
沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は8日、市内平良下里のホテルで、宮古経済ワイドー懇談会を開催。公庫が地域の事業者と一体となって宮古地区の経済振興を図るためのもので、市や宮古島商工会議所、伊良部商工会、民間事業者と意見交換を行った。出席した事業者からは、コロナ禍からの経済復興に明るい兆しが見られるとの意見が出る一方、人手や住居の不足、建築費の高騰を今後の課題に挙げる声が多く聞かれた。
川上理事長は「宮古のさらなる経済振興や地域振興に向け公庫がしっかりと役に立てるよう、直接ご意見ご提言を伺える貴重な機会。コロナ禍で借入が増大した事業者の財務改善や事業再生、脱炭素社会の実現に向けた設備投資など、さまざまなニーズに応えていきたい」とあいさつ。
ホテルや空港などの観光関係事業者は一様に、昨年度から観光客が戻りはじめ活況を呈していることへの手ごたえを報告。コロナ禍においても、インターネット販売の注文が増加したという農業関係者や、島外で活発に営業活動を展開したことが実を結んだと話す加工業者もあった。また人口減少社会を迎える中、新たな価値を創造することで労働生産性を高めることの重要性を説く出席者もいた。
宮古経済復興への手ごたえが多く語られる一方、人手や住居の不足、建築費の高騰が課題となっているとの意見が続出。起業を志す若者がチャレンジしにくい環境になっていることを懸念する声もあった。
懇談会に出席した嘉数登副市長は、「皆さまの話を伺い、市の課題は人手不足と住居対策に尽きると感じた。空き家の活用など行政が協力できることを積極的に検討したいが、公庫にもリフォーム向けの優遇金利などを検討してもらえるとありがたい」と述べた。
商工会議所の根路銘康文会頭は「宮古はまだまだ伸びる。島外からの投資ももちろん必要だが、できるだけ多くの地元プレーヤーを育てたい。特産品の開発や島外のマーケット開拓の取り組みを強化していく必要がある」と話した。
商工会の奥濱剛会長は「物価高騰などの課題はあるが、伊良部島にはすごい勢いがある。さらなる発展に向け、役員が先頭に立って会員の販路拡大に取り組みたい」と語った。