宮古空港に着陸した空自のC―2輸送機

関連装備の搬入始まる 宮古空港に空自輸送機

 北朝鮮の「軍事偵察衛星」発射計画を受け、政府は沖縄県先島地方に、航空自衛隊の地対空誘導弾(PAC3)の展開を急いでいる。宮古空港には26日、航空自衛隊の「C―2」輸送機が飛来し、関連装備や車両を空輸。民間旅客機と自衛隊機が交互に離発着する姿が見られた。車両は上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地に搬入された。27日午後には、海上自衛隊が運用する「はくおう」が平良港に入港し、車両や人員などが届けられる見込み。(7面に関連)
 PAC3を積んだ輸送艦は、当初那覇港を経由して25日に第1便が届けられる予定だった。同港が民間船の接岸予定で使用できず、計画を変更。空輸と海運を併用して宮古島に運び込むこととなった。
 宮古空港には26日、午後2時20分ごろから4時半ごろにかけて、3機の空自輸送機が着陸。民間旅客機が活発に行き交う中で自衛隊機が民間空港を使用するのは異例のことで、日本トランスオーシャン航空や全日本空輸の定期便の隙間を縫うように、離発着を繰り返していた。
 1機目には大型の車両などは搭載されておらず、軽微な機材を運んでいたとみられる。2機目からは、搬出された車両には、火薬類を運んでいることを示す「火」と書かれた標識が付けられていた。3機目からは、種類の違う車両が運び込まれていた。2種の車両はいずれも、上野野原の空自基地に搬入された。
 沖縄防衛局によると、統合幕僚監部の職員が25日県庁を訪れたという。航空機を使った装備の迅速な展開に協力を求めたものと見られている。市港湾課には民間の海運関係会社から、27日午後4時の平良港使用届が出されている。一般車両や人員などを運搬するという。
 PAC3の宮古島への展開は、2016年以来のこと。北朝鮮がこれまで発射した事実上の弾道ミサイルは、多くが南方に向けて発射されていることから、市や石垣市、与那国町といった先島地方への配備が進められている。

空自宮古島分屯基地に搬入される車両(上野野原)

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