東平安名崎環境整備募金、一旦終了 市、継続へ前向き協議
保良自治会(砂川春美会長)が実施している東平安名崎の環境美化協力募金箱の設置許可が、28日終了した。同自治会は所管する市建設部都市計画課に延長申請を提出しており、市は前向きに協議を進める方針。市によると、新たな許可が正式に決定するまで募金箱は一旦撤去されるという。協力を求める声かけなどが強制的に感じられるとして市に苦情が寄せられることもあったが、同自治会は運営を改善しているとして事業に理解を求めている。
同事業は2021年12月に開始。協力金は漂着ごみの清掃などの美化活動のほか、テッポウユリの植栽や県指定の天然記念物・テンノウメの群生地保護などに使用されている。
支払いは任意だが、係員が常駐しての声かけが強制的に感じられるとして、市に多くの苦情が寄せられる事態となった。市議会一般質問でもたびたび取り上げられ、「宮古島市の評判を落とす」と反対する意見や、「市が協力していい方法を考えてほしい」といった後押しなど、議員からさまざまな声が上がった。
22年12月で1年間の設置許可が終了したが、市は過度な声かけをしないなどの条件を付して3月28日まで許可を延長。その際、QRコードを用いたデジタル決済から現金払いに変更したほか、名称を「協力金」から「募金」に変更した。
保良自治会は27日、市に延長申請を提出し、継続に向けた協議を行った。都市計画課の職員は「12月からは苦情もほとんど来なくなっているので、基本的には許可する方針。プレハブ小屋の撤去は大変だが、正式に決定するまでは募金箱を外してもらう」と説明。
自治会側は1年間の延長を求めているが、市は半年間や3カ月間を想定しているという。大嶺弘明建設部長は「良い目的の事業だが、観光イメージダウンにもなりかねなかった。うまく話がまとまるよう前向きに協議したい」と話した。
砂川会長は本紙の取材に、「募金をしてくれた方へのお礼や質問への対応だけに運営を見直しており、もう声かけは一切していないと自信を持って言える」と述べた。声かけだけでなく、漂着ごみの清掃にもクレームが入っていたという。「東平安名崎の環境を保全するために取り組んでいるので、どうか皆さんにご理解いただきたい」と話した。