副市長人事について答弁する座喜味市長 =市議会本会議場

嘉数氏(県知事公室長)起用を明言 副市長巡り座喜味市長

 宮古島市議会(上地廣敏議長)の3月定例会は15日、一般質問が始まった。副市長人事について質問した前里光健氏に対し、座喜味一幸市長が県の知事公室長を務める嘉数登氏の起用を明言。23日の最終本会議に同意案を上程する意向を示した。任期途中での異例の交代に踏み切った理由について市長は「現職の伊川秀樹副市長には尽力いただいた」としながらも「知識、経験豊富な嘉数氏がさらに適任と判断した」と説明した。
 前里氏は「副市長人事に多くの市民の関心が寄せられている。今議会に人事についての議案を上程するのか教えてほしい」と質問。
 座喜味市長は「嘉数氏に2023年度からの副市長就任を依頼している」と明らかにした上で「伊川副市長が退職届を提出されたので、追加議案として上程したい。議員・市民の皆様のご理解を得たいと考えている」と述べた。議案提出は23日の最終本会議。
 前里氏は「このような人事は前代未聞。任期途中で副市長を変えるのはなぜか」とただした。
 市長は「伊川副市長におかれては、私の公約実現のため精一杯尽力頂いたと感謝している」と答弁。その上で「嘉数氏はこれまで知事公室長や商工労働部長など幅広く活躍してこられた。国や各方面への人脈も多く、今後公約を推進する中でスピーディな調整などを行うためには、知識・経験豊富な嘉数氏が副市長としてさらに適任だと考えた。熟慮に熟慮を重ねた上で、任期途中での交代を伊川副市長にお願いした」と説明した。
 前里氏は伊川副市長誕生まで3度議会に諮ったことに触れ「市長が優秀だということで紹介した伊川副市長がいるのに、変えてもっと良くすると。使い捨てのような話に聞こえる。『誰一人取り残さない』と言っておきながら副市長を取り残している」と糾弾。
 本紙の取材に対し、伊川副市長は「一般質問が終わってから改めて時間があれば」と述べるにとどめた。

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