教育費に35億5千万円 宮古島市、来年度予算案の詳細発表 平一小・西辺中を改修
宮古島市(座喜味一幸市長)は27日、市役所で会見を開き、2023年度一般会計当初予算案の詳細と主な事業を発表した。総額376億9千万円のうち、教育費に35億5835万円を計上。主な事業としては、平一小学校と西辺中学校を計3億5570万円かけて整備する。また、伊良部佐和田の新四川地区から平良荷川取の現施設改修に計画を変更したし尿処理整備事業に5億3781万円を計上している。会見は與那覇勝重総務部長が行った。
当初予算案の歳入のうち、自主財源の市税が対前年度比5億3012万円増加した一方、依存財源の国庫支出金が8億3445万円、市債が4億7220万円それぞれ減少した。大型公共工事の伊良部屋外運動場整備完了が要因。ただし、メイン球場など主要4施設以外の周辺施設については、補助金などの財源を検討し、改めて計上する方針。
西辺中の校舎改築工事に2億4101万円を計上。築39年が経過した管理特別教室を建て替える。使用されていない旧図書館棟などの解体も行う。平一小の体育館整備には1億5737万円を計上。築30年が経過し雨漏りや床の腐食など老朽化が進んでいるため、全面的な改修工事で安全性の確保を図る。
20年度から実施している給食無償化事業に2億6876万円を計上。同事業はふるさと納税寄付金が活用されている。市への寄付は年々増加しており、3月定例会に提出する22年度補正予算案の歳入にふるさと納税9億4960万円を計上。23年度は計51事業に使われるという。
し尿処理施設整備の5億4791万円は実施設計分。工事は23年度から24年度にかけて行う予定。
その他の主な新規事業は▽宮古馬利活用スタートアップ事業に1200万円▽農業資材高騰対策補助に1億4583万円▽漁業漁船の燃油高騰支援に2億2280万円▽一部市道(中央縦線)の電柱地中化に1億2260万円―など。
会見では市長が公約に掲げる所得10%向上の実現に向けた道筋や3年目を迎える座喜味市政の特徴など、市長の政治姿勢に関する質問も飛び、與那覇部長が答えに詰まる場面もあった。記者から「市長が会見を開くべきだったのでは」と問われ、與那覇部長は「意見を市長に伝える」とした。