チーズづくり体験で指導する冨田さん =未来創造センター調理室

山羊食の可能性広げる 海外の料理法紹介 チーズづくり体験も

 山羊食文化とチーズづくりを紹介するイベント「山羊×チーズ」(主催・宮古島チーズ工房)が22日、未来創造センター調理室で行われた。料理人による海外の山羊肉料理の実演やチーズづくり体験などが行われた。会場には予想を上回る参加者が訪れ、試食を味わいながら山羊食文化への関心を深めた。このイベントは多彩な山羊料理を紹介するとともにチーズに親しみながら、ミルクの活用など山羊食の可能性を広げ、普及を図ろうと行われた。

山羊料理を調理する渡真利さん


 料理の実演と試食は午後1時から行われ、シェフの渡真利泰洋さんがフランス料理の「山羊のブランケット」をはじめ、山羊食文化の進んでいる西アジアの料理、石垣島の山羊ミルクを使ったアイスクリームを紹介。「宮古島と本土では水が違う。動物性のダシを取ろうとすると宮古の硬水の方がアクを取ってくれる」と説明した。試食した参加者たちは料理方法や材料などを質問していた。
 試食した宮古島市山羊生産流通組合の新里聰組合長は「一流のシェフが宮古の山羊を食材として食べ方を研究してもらうのはありがたいこと。こうした山羊料理が飲食店に広まってほしい。現在は山羊の生産が追い付かない状況。生産者も頑張っていきたい」と期待を寄せた。
 チーズづくり体験ではモッツァレラチーズの最後の工程の成形を行った。参加者は同工房の冨田常子さんらに教わりながら、熱湯で柔らかくしたチーズを練って丸く形を整えていた。平良から参加した倉卓嗣・佳苗さんは「チーズはよく食べるがふだんできないことなので楽しい。練るのはおもしろいが、きれいに作るのは難しい。家で子どもと一緒にやってみたい」と感想を話した。
 冨田さんは「もっと身近にチーズを感じてもらえれば食べる機会も増えると思う。種類によっては家庭で作れるものもある。チーズに親しんでほしい」と話していた。会場ではチーズの歴史や製造方法などを学べるクイズも行われた。
 同イベントは2022年度県観光事業者事業継続・経営改善サポート事業によって実施された。

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