出産一時金50万円に 国保税上限2万円引き上げ
宮古島市(座喜味一幸市長)は4月1日から、国民健康保険加入者の出産一時金を、生まれた子ども一人当たり50万円に引き上げる。現行の42万円から8万円の増額。また、国保税の課税上限を102万円から104万円に2万円引上げるとともに、軽減対象となる低所得世帯を拡大する。市長から諮問を受けた市国民健康保険運営協議会(石原智男会長)が16日、制度改正について審議。石原会長が同日、座喜味市長に答申を行った。
公的医療保険から支給する出産一時金の引き上げは、昨年12月に岸田文雄首相が表明。8万円の増額は過去最大の引き上げ幅となっている。医療保険のうち国民健康保険は各地方自治体が運営主体となっているため、市も条例を改正して対応する。改正案は市議会の3月定例会に提案予定。
国保税の上限引き上げと低所得者の軽減拡大も国の方針に基づくもの。より公平で中立的な税制の実現に向け、極めて高い水準の所得がある世帯に最低限の負担を求めるための措置。
国保税のうち、後期高齢者支援分を20万円から22万円に増額。医療分65万円と介護分17万円は据え置き、総額104万円となる。市在住で課税限度額を超える世帯は、1月末現在を基準とした市の試算によると、107から84に23世帯減少する見込み。
低所得世帯に対する措置では、国保税の5割軽減と2割軽減の判定金額を引き上げることで、対象の拡大を図る。同じく市の試算によると、5割軽減世帯は1717から1736に19世帯、2割は1023から1062に39世帯増える見込み。被保険者数ベースでは、5割軽減が45人、2割軽減が52人増加する。
国保税に係る条例は、地方税法の改正を待ち、市長専決処分として4月1日に改正・施行する。市議会には後に報告し、専決処分の承認を求める。
答申を受けた座喜味市長は「慎重な審議に感謝する。しっかりと条例に反映させ、3月議会で改正を図りたい。一時金が8万円増えることで、これから出産を迎える方には大変大きな支援になると思う。市民への周知を徹底しながら取り組んでいきたい」と述べた。