県社会教育研究大会 離島で初開催
第64回沖縄県社会教育研究大会(主催・県教育委員会など)が27日、「多様性を生み出し『ゆいまーる』で未来をつくる社会教育!!」をテーマに、市未来創造センターで開かれた。離島での開催は初となる。社会教育の充実と振興を図るために県内の教関係者が対面とオンラインで一堂に会し、九州大学大学院の岡幸江教授による特別講演や3分科会での実践報告を行ったほか、市社会教育委員の島尻郁子さんが県社会教育功労者として表彰を受けた。また、市の「西原コーラスゆりの会」がステージで合唱を披露し、大会を大いに盛り上げた。
社会教育とは「学校・家庭以外の広く社会で行われる教育」のことで、公民館や青少年の家での各種講座・体験行事、民間のカルチャースクールなど幅広い学びの機会を含む。大会では地域づくりにおける事例報告などを通して、時代の変化に対応した社会教育活動の充実と振興を図った。
主催者を代表して県の半嶺満教育長(代読)が「長寿・癒しの島といわれている沖縄だが、少子高齢化や人々のつながりの希薄化など、多くの課題に直面している」として「家庭・地域・学校などの多様な主体が連携協働し、誰一人取り残さない美ら島沖縄の実現を目指した社会教育が求められている」と語った。
今年度の県社会教育功労では10個人・2団体が表彰を受けた。島尻さんは2012年から市社会教育委員として活動し、学校支援ボランティアとして児童生徒の健全育成にも携わっている。島尻さんは受賞あいさつで、クリスチャンとして「互いに愛し合い、支え合い、許し合い、励まし合い衣、笑うことができるのが真の教育だと信じるようになった」と述べた。
岡教授は人と人のつながりを基にする社会教育にコロナ禍が大きな影響を及ぼしたとして、日々の暮らしに密着して生まれた沖縄の「ゆいまーる」と地域の学びの未来をテーマに講演。
集落で地域住民が出資して運営する共同店などの事例を紹介し、「県内各地にゆいまーるを支える仕組みがある。それを再発見し、意味を意識することに学びが生まれる。豊かなつながりの中で生まれてくる学習が、結果として課題の解決につながる」と説いた。
アトラクションで登場した「西原コーラスゆりの会」は、市歌「黎明の空に」と「ふるさと」を西原方言バージョンで合唱。会場から盛大な拍手が贈られた。同会は2020年度、県から社会教育功労団体として表彰を受けている。