安保関連3文書について一般質問で答弁する座喜味市長 =市議会本会議場

安保3文書「乱暴すぎる」 市長、閣議決定に疑問 12月市議会一般質問最終

 宮古島市の座喜味一幸市長は宮古島市議会12月定例会一般質問最終日の19日、政府が防衛力強化に向けた新たな「国家安全保障戦略」など安保関連3文書を16日付けで閣議決定したことについて、「安全保障をめぐる3文書が急ピッチで、情報が我々に伝わっていない。今の(国の)進め方は乱暴すぎないかというのが実感」と疑問を投げかけた。上里樹氏が自衛隊関連についてただしたことに関連し、答弁した。
 安保関連3文書では反撃能力(敵基地攻撃能力)を明記し、2026年度に長射程の米国製巡行ミサイル「トマホーク」の配備を目指すとしている。また、23年度から5年間の防衛費総額を約43兆円と19~23年度の1・5倍に増額するとしている。
 沖縄に駐屯する陸上自衛隊第15旅団を今後5年以内に師団に改編する計画もあり、岸田文雄首相は16日の会見で、南西地域の「陸上自衛隊の部隊を倍増する。全国から部隊を迅速に展開するための輸送機、輸送船舶を増強する」とし、配備強化を推進する考えを示した。
 座喜味市長は、防衛省が先に下地島空港を特定重要拠点に指定する方針を示したことや、航空及び陸上の両自衛隊施設を抱える状況を念頭に、「南西諸島における防衛体制が進められていくのかも含めてより具体的な課題を整理する必要がある」と述べるとともに、政府に丁寧に説明するよう言及した。
 このほか上里氏は、宮古島に配備された陸自基地に関する防衛省の説明会を質問。垣花和彦企画政策部長は、同省と市、地元関係者による連絡協議会立ち上げに向けて協議を進めているとし、「地元への説明会についてどう扱うかを詰めている段階。協議会運営が始まれば、要望の中のいくつかは対応できる」との見通しを明らかにした。

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