「水上バイク規制条例」可決 前浜ビーチ、渡口の浜で
宮古島市(座喜味一幸市長)は水上オートバイなどの危険航行による事故を防止し、遊泳者などの身体及び財産の保護を図るため、罰則付きで規制する条例を制定する。施行は来年度4月1日から。同条例では下地与那覇の前浜ビーチと、伊良部島の渡口の浜を事故防止重点区域に指定し、ブイや監視カメラ設置などの措置を講ずる。市議会総務財政委員会(下地茜委員長)が9日審議を行い、一般会計補正やその他の条例案などの全付託議案とともに、全会一致で可決した。
前浜ビーチは前浜港を挟み東急リゾート側と来間大橋側にかけて、全長約2.2㌔、海岸から70~100㍍にかけての区域、渡口の浜は全長700㍍、海岸から約70㍍の範囲を指定する。いずれも約30㍍置きにオレンジ色のブイを設置。水難事故の防止・救助に従事するなどの場合を除き、水上オートバイなどを乗り入れることを禁止する。
観光客にマリンレジャーを提供するために運航する場合は、指定された発着区域を利用し、ブイの外側で運行しなければならない。常習的に違反しているものに対しては市長が文書で警告することができ、従わなかった場合は20万円以下の罰金を科す。また指定区域内で海域利用者との接近や衝突などの危険を生じさせる航行をした場合は、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金とする。
委員からは漁業者との調整や実効性の確保を求める意見、法的妥当性を確認する質問があった。
当局は兵庫県明石市が3月に全国で初めて制定した条例を参考にしたと説明。明石市は「遊泳者の安全区域」と設定しているが、万が一事故があった場合の責任を懸念し、「水上オートバイなど事故重点防止区域」と定めたという。
実効性を確保するため、監視カメラを設置する。カメラだけでは証拠として不十分と考えられるので、将来的には人を配置することも視野に入れている。告知のためのチラシを今年度中に500枚作成し、関係機関と協力しながら配布するほか、前浜に3カ所、渡口に2カ所の計5つの看板を設置する方針。
漁業者が漁業権を行使するには、安全対策を講ずる必要があるという。モズク養殖場などの周りに前浜や渡口の浜と同様のブイを設置できないか、宮古島漁協と調整を進めている。