来年度予算編成が本格化 市、今年度当初下回る予想

 宮古島市(座喜味一幸市長)の2023年度当初予算編成が本格化している。市総務部(與那覇勝重部長)は各部局からの予算要求を踏まえ、14日以降にヒアリングを開始する。長期化するコロナ禍の影響や物価高騰など景気状況が不安定な状況で財源の落ち込みが見込まれることを受け、厳しい予算編成となる見通しだ。23年度は現段階で大型公共投資が予定されておらず、予算規模は22年度当初予算378億円を下回ることが予想される。
 予算編成に当たって同市は、「限りある財源の中で市民サービスの維持・向上につながるような創意工夫」を各部局に求めるとともに、基本的考え方では、総合計画及び市長公約の各種施策推進に取り組むことを示した。
 また、長期化するコロナ禍の影響を踏まえた感染拡大防止対策、市民生活や市内の経済状況を考慮した物価高騰への対応を含めた効果的な生活支援及び事業者支援策を国の動向を注視しながら検討する。
 行政面では、デジタル技術を活用した業務の効率化、行政サービスのデジタル化など、デジタル・トランスフォーメーション(DX=DigitalTransformation)を推進し、幅広い分野で利便性の高いサービスを享受できるよう環境整備を図る方針を示している。
 予算編成方針については10月上旬に各部局を対象に説明。11日に予算要求を締め切ったあと、14日以降に財政課によるヒアリングを進める。23年1月末に一次内示、2月初旬には最終内示し23年度当初予算案をまとめ、市議会3月定例会に提出する。
 22年度当初予算案は378億5千万円と前年度当初比0・3%(1億900万円)の微増。歳入は市税など自主財源が94億8408万円と構成比25%となる一方、地方交付税など依存財源は283億6591万円の同75%だった。歳出は人件費、扶助費、公債費など経常的経費293億5382万円で同77・6%、普通建設など投資的経費54億2321万円で同14・3%、繰出金などその他経費30億7295万円で同8・1%だった。
 全国及び県内では、長引くコロナ禍及び感染再拡大への懸念、さらにはウクライナ情勢の長期化に伴う原油価格や物価のさらなる高騰など今後も厳しい状況が予想されており、同市の23年度予算編成にも大きく影響しそうだ。

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