展示販売会を初開催 宮古織物組合
第1回宮古島の織物展示販売会(主催・宮古織物事業協同組合)が5日、平良下里のホテルで始まった。6日まで。伝統的工芸品の宮古上布をはじめ、その技術を土台に織られた宮古苧麻織、宮古麻織、宮古織の着尺や帯地、それらを材料に作られた染織工芸品を紹介するとともに販売した。同展示販売会は手織物の商品開発と販路拡大を目的とし、従事者の収益向上によって宮古上布の継承につなげようと開催された。6日も午前10時~午後4時に行われる。
開会式では同組合の伊川秀樹代表理事が「宮古の織物について広く知ってもらいたいとの思いから開催した。国の伝統的工芸品である宮古上布十字絣の反物は約1年分の生産反数に相当する数を準備することができた。この機会に宮古島の歴史や自然が育んできた美しい織物をぜひ購入し、手にしてもらえれば」とあいさつした。
展示販売会には経・緯糸ともに手績み苧麻の宮古上布、手績み苧麻だけでなく機械紡績の苧麻(ラミー)や木綿の糸を使った宮古苧麻織、宮古麻織、宮古織の反物約70本、帯地約50本が出品された。今年度から県伝統工芸製品の検査改定に伴い対象となり、「検査済之証」を添付された福木や車輪梅などで染めた上布も来場者の目を引いていた。
染織工芸品は上布や麻織を使ったバッグや名刺入れ、財布、ショール、タペストリー、木の枠に古い時代の上布を張ったパネルなど様々な商品約700点が販売された。
この日は約130人が来場し、予想以上の盛況となった。佐良浜出身で那覇市在住の70代女性は「宮古の伝統工芸の素晴らしさを初めて知って驚いている。素晴らしい技術に感動した」と感想を述べた。
同組合の神里佐千子専務理事は展示販売会開催について「個人消費者に買ってもらうことで従事者の収入が増えてほしい。第1回なので反響を見ながら今後何を作れば良いのか、お客さんの声を聞きたい」と話し、「従事者を育てるだけでなく、作った織物を組合として売る努力をしていく。上布を維持するには従事者が織物で生活できる状態にしなければ」と目標を語った。