総合計画前期5カ年終了 達成率80%以上58件
宮古島市(座喜味一幸市長)はこのほど、第2次市総合計画基本計画の達成状況をまとめた。2021年度末の前期5カ年計画終了時点で、評価項目97のうち、達成・概ね達成となる80%以上の達成率が58件、未達成の59%以下が27件となった。平均達成率は72%。コロナ禍で数値に大きな影響が出たものもある。市は未達成の項目については、改善や見直しなどを行いながら後期計画でも取り組むとしている。後期計画は22年度からの5年間。
総合計画は17年度から26年度までの10年間を対象とし、島づくりの基本理念や目標などを定めたもの。基本理念として「心かよう夢と希望に満ちた島 宮古~みんなで創る 結いの島~」を掲げている。
21年度までの5年間を対象とした前期基本計画では、①エコアイランド②郷土愛③健康福祉④産業振興⑤安全安心な暮らし⑥市民との協働―の6章で、97の評価項目を設定。
100%達成が35件(35%)、80%以上の概ね達成が23件(24%)となり、計60%が目標の80%以上を達成。一方で未達成のものが28%残った。
公民館や図書館、博物館の利用率やスポーツ教室といった市民生活に関わるものや、入域観光客数、スポーツ合宿団体誘致、国際クルーズ船寄港数といった観光関連の項目でコロナ禍の影響を大きく受けたことが未達成の一因という。
各種がん検診の受診率も50%を目標にしたが、肺がん9%、胃がん3・2%など低い数値にとどまった。
市は後期計画策定に当たり21年度、コロナ禍やデジタル化の進展、市の人口が増加に転じたといった社会情勢の変化を踏まえ、総合計画の基本構想を見直した。諮問を受けた総合計画審議会(下地芳郎会長)は、豊かな自然環境や景観の保全と各産業の振興を両立するよう要望した。
後期計画では26年度に達成すべき目標として▽良好な地下水水質のため硝酸性窒素濃度を1㍑あたり4・40㍉に低減▽市の小中学生の全国学力・学習状況調査を全国水準にする▽有効委求人倍率1・07倍の維持―などを設定。
審議会は後期5カ年計画に関する市長への答申で、施策の効果検証や進ちょく管理のため、市民の意見を踏まえた第三者評価を実施することを求めた。