食用油は22年に入り値上げが続いている =市内のスーパーマーケット

食用油の高騰深刻 大手メーカー前年比4割近く上昇

 食品の値上げが続く中、食用油の価格上昇が深刻となっている。総務省のまとめでは、2021年7月に1㌔あたり全国平均で270円だった小売り価格は22年7月に403円と4割近く上昇。大手食用油メーカーは22年に複数回を値上げを実施し、10月に値上げを予定しているメーカーもあるという。大量の油を使用する飲食店などで特に影響が大きく、商品の値上げなどを検討せざるを得ないという店も見られた。
 大手食用油メーカーのJオイルミルズによると、穀物や原料の供給不安が高まり大豆・菜種などの原料相場が高騰し、さらにエネルギー価格上昇や円安の進行により調達コストの上昇が避けられないという。
 同社は7月1日に家庭用・業務用の菜種油・大豆油品、パーム油・コーン油製品などで1㌔㌘あたり60円、オリーブオイル・ごま油品を1㌔㌘あたり120円値上げした。
 また農林水産省が1日~3日に行った調査では、キャノーラ油の全国平均価格は前月比6.6%上昇の468円と、価格上昇に歯止めがかからない状況だ。
 市内の食品卸業者によると、22年の仕入れ価格は1カ月~2カ月ごとに上昇し21年と比べると2倍近くに高騰しており、9月以降にさらに値上がりする可能性もあるという。
 市内のカフェ経営者は、「持ち帰りで販売している弁当は売価を安くしているので影響が大きい。古い油を使うわけにもいかず、コストアップは店で吸収している状態」と話す。
 また市内の天ぷら店店主は「22年だけで食用油の仕入値が3度上がった。商品は一度値上げしたが、もう一度上げなければ厳しいかも知れない。天ぷらなので油を減らすことは出来ずとコストに直接響いてくる」話し、「他の食品も値上げ続きで値段が下がる要素がない」と肩を落とした。

関連記事一覧