2022年度の事業計画を審議した栽培漁業推進協議会 =市役所

シャコガイ類20万個生産へ

 宮古地区栽培漁業推進協議会(会長・座喜味一幸市長)は11日、市役所で会議を開き、2021年度の事業報告と22年度の計画を審議した。同協議会はオキナワモズクの調査や栽培講習、ヒメジャコなどのシャコガイ類の種苗生産などに取り組んでおり、今年度は来間株に関する調査を引き続き実施するとともに、シャコガイ類を計20万個生産する計画。昨年度行えなかったシラヒゲウニの種苗購入も行う予定。事業案は全て原案通り承認された。
 昨年度はシラヒゲウニ2万尾の種苗を県栽培漁業センターから購入する予定だったが、新型コロナの影響で出張を控えたため実施されなかった。
 ヒメジャコは若干数の生産予定だったが、11万6677個の実績。その他のシャコガイ類は10万個の計画で12万3527個を生産した。いずれも20年度に大量生産に成功したため、再現性を確認するための試験生産を行ったという。試験的に放流を行っており、放流方法による生存率の違いを追跡調査している。
 来間株は7500枚を種付けする計画だったが、水槽増設で利用者が増えたため計画を上回り、計1万582枚の実績となった。
 座喜味会長は「来間株のブランド化に向けて売れ行きが伸びていることはうれしく思う。シャコガイの試験は大成功だった」と前年度の活動を振り返り、「一括交付金を獲得しながら思い切った展開が必要と考えており、漁業振興に役立つよう進めていきたい。水産業振興という最大の課題に向けて忌憚のない意見を願いたい」とあいさつした。
 今年度はシラヒゲウニの種苗を6万尾購入予定で、うち半分の3万尾を平均30㌢まで育て、宮古・多良間沿岸に放流する計画。また、県栽培漁業センターに種苗生産技術講習の開催を要望している。
 シャコガイ類20万個を9月にかけて、海業センターで生産する計画。6月30日には狩俣中学校の2年生を対象に、岩に埋め込んだ稚貝約100個を放流する体験学習も行った。
 来間株は昨年度に続き従来株(S株)との比較養殖調査を実施し、形態や収穫量を比較する。また遺伝子の塩基配列を解読することでS株との遺伝的区別を試みるほか、収穫量の包括的な聞き取り調査を行う予定となっている。

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