正午の時報に合わせ黙とうをささげた =未来創造センター多目的ホール

慰霊の日 市が全戦没者追悼式を執り行う

 沖縄戦の終結から77年目を迎えた「慰霊の日」の23日、2022年度宮古島市全戦没者追悼式及び平和祈念式(主催・市など)が未来創造センター多目的ホールで執り行われた。感染対策で3年連続の規模縮小となったが、西辺中3年の上原美春さんが平和の詩を朗読したほか、みやこ少年少女合唱団が平和を願う歌声を披露。遺族会代表などの参列者が黙とうを捧げて戦没者に哀悼の意を表し、戦争の惨禍を風化させることなく次世代に引き継ぎ、恒久平和を実現することを誓った。     

みやこ少年少女合唱団が平和を願い歌声を披露した

       
 新型コロナの感染拡大防止のため、20、21年と連続で市内各地の遺族会代表や市関係者のみの参加で式を行っていたが、今年は入場制限を80人までに拡大。市議や後援の各団体、代表以外の希望する遺族会などが出席。昨年沖縄全戦没者追悼式の平和の詩朗読者に選ばれた上原さんは、今年の「児童・平和のメッセージ」(主催・沖縄県)中学校の部でも詩部門で優秀賞を受賞。式典では「Unarmed(非武装の意)」と題する作品を朗読した。少年少女合唱団は命の大切さをうたった「つながるいのち」と、宮古を思う「大切なふるさと」の2曲を披露。
 午前11時50分から始まった式典では、座喜味一幸市長が「先の大戦で、ふるさと、家族の行く末を案じながら戦場に散り、戦禍のなか飢えや病に倒れた方々の無念に思いを馳せると、尽きることのない悲しみが胸にこみ上げる」と哀悼の意をささげ、「戦争を知らない世代が大半を占め、体験と記憶が薄れようとしている今、平和の尊さや命の大切さを未来へと語り継ぎ、二度と戦争の悲劇を繰り返すことのないよう、恒久平和の実現に向けてより一層努力する」と誓った。
 宮古島市戦没者遺族会の川満俊夫会長は「戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、戦陣に散り、戦禍に倒れた人々に心から哀悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の繁栄を願わなければならない」と述べ、「多くの国民が平和を希求しているにもかかわらず、ロシアのウクライナ侵攻という遺族会が一番恐れていた戦争が始まった。多くの人々が犠牲になっていることに強い憤りを覚える」と語った。
 出席者は正午の時報に合わせて一分間黙とうをささげた。式では代表者のみだったが、式典終了後に参列者も一人ひとり壇上に上がり献花を行った。

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