宮古各地で海神祭
旧暦5月4日の「ユッカヌヒ」の2日、宮古各地の漁港や海浜で伝統行事の「海神祭・ハーリー」が催された。例年はイベントなどが実施されるが、コロナ禍のため3年連続で規模縮小となり、ほとんどの地域で祈願のためにサバニ(くり舟)を地元関係者が漕ぐ「御願(ウガン)バーリー」を中心に行われた。海神祭では漁師や漁業関係者、地元住民らが、向こう1年間の無病息災と航海の安全、大漁・豊漁を祈願した。伊良部の佐良浜では伊良部漁業協同組合の式典とパレードが3年ぶりに実施されたほか、自治会別に競漕が復活し、「ゴーヘイ」の掛け声が漁港に響き渡った。
海神祭は伊良部の佐良浜(前里添、池間添)をはじめ、平良の池間、狩俣、島尻、西原(真謝)、布干し堂、久松の7カ所で行われ、自治会や漁協、船主組合、実行委員会が主催した。このうち佐良浜では、前年に続いて前里添自治会(仲間稱会長)、池間添自治会(上地繁喜会長)に分かれて漁港から大主神社沖合間を漕ぐ御願バーリーと競漕を行った。この日は夜明け前から漁師が漁船に大漁旗を掲げるとともに、酒などで清め、向こう1年間の航海安全と大漁を祈願したあと、親せきや友人、知人ら数人が集まり、船上で酒盛りして過ごした。
前里添は午前9時過ぎに漁港西側から漁師らがサバニに乗り込み、池間添は漁港東側から8時過ぎに昭和51・52(1976・77)年生まれ同窓会(前泊洋平会長)が参加してそれぞれ御願バーリーを実施。漁協前から防波堤外側の海上を西側に向かい、佐良浜にある大主神社やサバ沖井戸、池間島(元島)に向かって手を合わせて祈願した。
前里添の仲間会長は、「ことしは3年ぶりに分会で競漕しようと計画し、実施することができた。皆さんが集まって盛り上がって喜び、笑顔になることがうれしい。きょうは大漁と、来年はもっと盛大にできるよう祈願したい」と語った。
池間添の上地会長は「ことしは盛り上げようと、多くの皆さんが参加してくれた。来年はもっと盛大な競漕ができるようにしたい」、同窓会の前泊会長は「コロナで寂しい行事が続いているが、ウィズコロナで自分たちがつないでいけるよう、島の繁栄を願いたい」とそれぞれ語った。