原油高騰で市内、レギュラーガソリン190円台に
世界的な原油価格高騰が続いている中、宮古島市内の複数のガソリンスタンドでレギュラーガソリン1㍑が190~193円になっていることが、1日までに確認された。政府は店頭価格を168円程度に抑えるため燃料価格激変緩和対策事業を行い、石油元売り業者に1㍑当たり36・7円を支給しているが、市では全国平均から20円以上も小売価格が高く、離島のハンデがあらわになった。沖縄電力の燃料調整単価も急騰するなど、事態の収束は見通せない状況だ。
政府は原油価格の高騰がコロナ禍からの経済回復の妨げとなることなどを回避するためとして、燃料元売り業者に支援金を給付。4月25日週からは全国平均の基準値を168円とし、超過分35円までの全額と、203円(168+35)を超えた分の半額を支給している。2日から8日までの給付額は36・7円。
原油価格の高騰が続いているため小売価格の大幅な低下にはつながっていないが、資源エネルギー庁が発表している資料によると、ガソリン価格の全国平均値は170円を下回って推移している。一方、宮古島市では値上がり傾向が続き、本紙の取材ではレギュラー1㍑当たり190円台になっているガソリンスタンドが複数あった。
県内の石油販売業者によると、沖縄本島でも170円前後が主流のようで、離島のハンデが宮古島を直撃している。販売業者は「輸送にコストがかかるため、全国的に離島は小売価格が高い。人件費や事業規模などさまざまな問題が重なり、政策の効果が表れづらいのだろう」と話した。
市内で運送業に従事する男性は「コロナ禍も収まりつつあり荷物の取り扱いは増えているが、ガソリン代の高騰で経費も大きく増える。マンゴーなどでこれから繁忙期を迎えるが、状況は厳しい」と嘆く。
沖縄電力はこのほど、7月分の一般家庭向け燃料調整費単価が6・57円になると発表した。6月の4・88円から1・77円と大幅な上昇で、前年同月比で5倍以上に高騰している。
沖電は電気料金に転嫁できる上限を3・98円と定めているため、市民生活に直ちに影響は出ない。料金制度の変更を国に届けることで上限値を上げることはできるが、現在のところは状況を注視し、変更を行う予定はないという。