宮古圏域 子ども人口8444人 22年3月末、県まとめ
5日は「こどもの日」。同日から「見つけたよ 広がる未来とつかむ夢」を標語に2022年度児童福祉週間がはじまる。県宮古福祉事務所がまとめた22年3月末現在の宮古地区の子ども人口(15歳未満)は、前年と比べて164人少ない8444人となり、前年の過去最少を更新した。19年から2年連続で増加したが、21年から減少に転じた。国の関係機関推計によると、宮古は30年には8千人、40年にはさらに7千人を下回るとしており、減少傾向が続くとみられる。
内訳は宮古島市が159人減の8307人、多良間村が5人減の137人。宮古島市の地区別は▽平良=6136人(107人減)▽城辺591人(15人減)▽下地443人(4人減)▽上野655人(7人減)▽伊良部482人(26人減)―となった。
国勢調査によると、1960年の子ども人口は3万人台だったが70年には2万人台、75年には1万人台となり、2005年には初めて1万人を下回った。沖縄の本土復帰2年前の70年は2万4030人だったが、約50年間で1万500人以上も減少し、少子化が進んでいる。
国立社会保障・人口問題研究所が15年の国勢調査に基づいて18年に推計した「日本の地域別将来人口」によると、宮古地区の子ども人口は、25年に8122人、30年に7613人と8000人を割り込み、35年に7093人、40年に6705人、45年に6368人と減少傾向はさらに加速する見通しだ。
児童福祉週間は、児童福祉の理念の周知と児童を取り巻く諸問題に対する社会的喚起を図るもの。県は社会の宝である全ての子どもたちが家庭や地域で豊かな愛情に包まれながら、夢と希望を持ち未来の担い手として個性豊かにたくましく育つ環境、社会づくりが重要としている。一方、少子化や核家族化が進み育児不安や子育ての孤立に加え、虐待の増加や犯罪に巻き込まれるケースが増えるなど児童を取り巻く環境は大きく変化しており、環境整備を社会全体で取り組むべき課題として挙げている。
2年連続のコロナ禍で、現状では新型コロナウイルス感染がさらに拡大するなど子どもたちの生育環境の悪化が懸念される状況が続いており、児童福祉週間を機に、子どもたちを取り巻く環境の改善及び向上へのさらなる取り組みが求められている。