22年度一般会計当初予算の修正案2案を審議した =市議会本会議場

キビ収穫支援、議長決裁で削除 市議会最終本会議

宮古島市議会(上地廣敏議長)3月定例会は25日、最終本会議を開いた。前日の予算決算委員会で2022年度一般会計当初予算を修正可決したにも関わらず、与野党がいずれも予算修正案を提出する事態となり、会議は長時間に及んだ。農薬・肥料補助を一律30%にし、キビ収穫管理支援事業を削除する野党提出案の採決では11対11の賛否同数となり、上地議長の賛成で可決された。当初予算以外の議案は全て全会一致で原案通り可決した。
               
 24日の予算決算委員会でサトウキビ収穫管理支援事業1億7227万円などを削除し、農林水産事業費を38億941万円から36億3390万円に減額することを決定した。
 与党議員団はこれを認めず、原案の38億941万円から38億4364万円に増額する修正案を提出。サトウキビ病害虫防除用農薬・有機質肥料・遅効性肥料・園芸用有機質肥料・葉タバコ用農薬の購入にかかる補助率を一律30%とすることで、3422万円を増額するもの。
 幅広い一次産業に対する具体的な支援の拡充が必要であるとの野党の主張を受け入れることで、キビ収穫支援事業の可決を狙っての提案となった。
 野党は与党の提案に対抗。キビ支援事業を削除した上で農薬補助率を増額し、農林水産事業費を36億6813万円に減額する修正案を提出した。キビ支援事業に係る予算は農林水産業振興基金設立に使用し、総合的な一次産業支援に活用するべきとの主張。
 農業補助費増額については与野党の意見が一致したため、焦点はキビ支援事業の可否となった。
 野党提出案を巡る討論では与党から「キビ支援は増産意欲を持ってもらうために行うもので、バラマキには当たらない」「キビなしには宮古の農業の発展はない」と反対意見が、野党から「農薬の補助率30%に加え、農・漁業を幅広く支援する案」「トン当たり500円を配ることで高齢化問題などの解決につながるという根拠の説明がなかった」と賛成意見が出た。
 採決では中立会派の砂川和也氏が「もっと議論が必要」と述べ退席。キビ支援削除に賛成が野党11人、反対が与党・中立の11人で同数になったため、上地議長に決裁が委ねられた。議長はキビ支援事業を削除する野党提出案を支持した。
 本会議の結果、22年度当初予算総額は376億7449万円となった。国に沖縄本島南部土砂採取計画の撤回要請を求める陳情、選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書採択など、その他の付託議案は全て原案通り可決した。

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