市議会経工委 キビ支援事業を削除
宮古島市議会3月定例会の経済工務委員会(西里芳明委員長)は8日、2021年度一般会計補正からサトウキビ収穫管理支援事業に係る農業振興事務費1億6675万円を削除する修正案を賛成多数で可決した。本会議での採決は10日に行われるが、同事業は21年度当初予算に続いて削除される見通し。歳出減に合わせ歳入から繰入金を同額減額し、補正予算は11億8513万円、21年度一般会計総額は450億1453万円となった。
修正案は新里匠氏が提出。新里氏はトン当たり500円を生産農家に給付する事業を削除した理由について「農家が求めているのは農薬・肥料の補助率アップ。500円をばらまくのではなく、キビの増産につながる事業に取り組んでほしい」と説明した。
経済工務委の構成は与党2人、中立1人、野党4人。修正案には中立・野党の5人が賛成したため、本会議でも同事業への反対派が過半数(23人中13人)を確保する見込み。修正案が可決された場合、座喜味一幸市長は通算4度目の予算修正を受けることとなる。
討論では修正に反対の立場から、与党の友利光徳氏が「サトウキビ生産は古くからこの島を守ってきており、キビ農家を救うことは大切なこと。とりわけ、80歳前後のキビしかできないような小規模農家を救いたいというのが市長の思い」、長崎富夫氏が「農家の9割近くがキビ農家。現金を給付することで購買意欲が上がり、経済活性化につながる」とそれぞれ述べた。
修正に賛成の立場では、野党から山里雅彦氏が「予算をもっと増額してでも、肥料の補助率アップなど生産基盤強化に使った方が市長の掲げる農家の所得向上につながる」、平良敏夫氏が「『農家のほとんどがキビ農家だからキビの支援は全農家を支援するようなもの』という答弁があるが、市長は選挙公約に『一人も取り残さない』と掲げており矛盾している」と述べた。
減額した農業振興費の内訳は、収穫管理事業1億6352万円、委託料323万円。歳入については、当局提出案で6億1847万円の減としていた基金繰入金を7億8523万円の減と変更する。経済工務委の終了後開かれた総務財政委員会(下地茜委員長)は、修正案を含む付託議案を全会一致で可決した。