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平口法相「慎重な上に慎重な検討」 高市政権発足後初の死刑執行、確定死刑囚100人以上が19年続く

法務省は21日、大阪市此花区のパチンコ店放火殺人事件で死刑が確定した高見素直死刑囚の刑を執行。死刑執行は昨年6月以来で、高市政権で初となる。

高見死刑囚は2009年7月、大阪市此花区のパチンコ店にガソリンをまいて火をつけ、客4人と従業員1人を殺害し、10人に重軽傷を負わせ殺人や放火の罪などに問われていた。裁判で高見死刑囚側は、「妄想の影響を受けていた」などとして死刑の回避を求めていたが、1審・2審とも死刑判決が言い渡され、2016年に最高裁が上告を退け死刑が確定。執行まで10年5カ月が経過した。

刑事訴訟法による確定から6カ月以内に法相が命令し、5日以内に執行する定めとなっているが、前回の執行から1年2カ月ぶりとなり、死刑の事実と人数の公表を始めた1998年11月以降で最長となる。また、8月21日現在、収容中の確定死刑囚は100人とされ、収容者数が100人以上の状況は2007年以降19年続いている。

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死刑制度をめぐっては、2024年に「日本の死刑制度について考える懇話会」が日本の死刑制度のあるべき方向性について、制度や運用には放置が許されない多くの問題があるとして国会や内閣のもとに会議体を設け、根本的な検討をするよう提言している。現状、世界の7割を超える国が事実上、死刑を廃止。こうした背景を踏まえ、平口法相は死刑執行を公表した記者会見で「慎重な上に慎重な検討を加え、死刑執行を命じた」と述べている。

日本の死刑判決は、犯行の罪質・動機・残虐性・結果の重大性・被告人の年齢など複数の要素を総合的に判断して決定される「永山基準」がある。永山基準とは、1968年当時19歳の永山則夫元死刑囚(1997年死刑執行)が起こした連続4人射殺事件の裁判で、死刑の適否が争われた1983年に最高裁判所が示した9つの要素を指す。これを基に総合的に考慮して、責任が極めて重大でやむを得ない場合は死刑選択が許され、殺人の裁判の多くはこの枠組みに沿った判断が示されている。

その一方で、永山基準が裁判員制度の下で裁判員が合理的に判断できる明確な基準として機能し得ているのか、単に考慮すべき量刑事情の例示列挙にすぎないのではないのか、といった点が問題視されている。

冒頭の執行を受け、日本弁護士連合会をはじめとする複数の団体が同日、抗議する声明を発表している。だが、日本の世論調査では死刑存置を支持する傾向が高く、国民感情の背景には「社会防衛」と「被害者感情」が生じているようだ。はたして、生きる権利を保障する「人権思想」が尊重される時代はやってくるのだろうか。

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