事前取材でヤマ(糸車)を使った「ツンギ実演」を見せる漢那会長 =市歴史文化資料館

研修生らの苧麻糸展示 宮古上布コレクションも きょうから2日間開催

 「第14回苧麻糸展示会・宮古上布コレクション展」(主催・宮古苧麻績み保存会、宮古上布保持団体、市教育委員会)が17、18の両日、市歴史文化資料館(旧砂川中学校)で行われる。苧麻(ブー)を原料に作る苧麻糸は「苧麻糸手績み」と呼ばれ、宮古上布の製作技術に欠かせないものだが、苧麻糸の手績みが少なくなっていることから担い手の育成が課題。会場では技術者養成講座の初級講習など研修生らの成果品が展示されている。コレクション展では琉球王府から現代までの宮古上布の着物、絣(かすり)などが披露。主催者は「多くの方に見てほしい」と呼びかけている。

宮古上布の図柄などについて説明する新里代表


 同展示会は宮古苧麻績み保存会 (漢那明美会長) と宮古上布保持団体 (新里玲子代表) の合同で、 市教育委員会が協力する形で開催される。 2023年度に実施した苧麻績みの初級講習などで製作した苧麻糸の展示、 保存会の活動などや保持団体が所有する貴重な宮古上布のコレクション展が行われる。
 初級講習は宮古島市、 多良間村の18教室で実施された。 展示の成果品には教室名、 研修生の名前、 研修年数、 量、 重さ、 10ヨミあたりのグラムが書かれている。 コメントには 「2年目を迎え、 少しずつだができるようになっている。 これからも地道にブー績みに挑戦したい」 「今回5ヨミの目標で糸の太さを均一にするのが難しかった」 などと意欲、 苧麻糸手績みの難しさなどを読むことができる。  
 漢那会長は 「初めての方も気軽に参加していただける苧麻の繊維取りや糸作りの体験コーナーを設けている」 と来場を呼びかけた。
 宮古上布コレクション展では宮古上布年表と上布図柄の変遷が展示。 琉球王府から現代までの宮古上布の着物は6点が展示されている。 琉球王府時代の御絵図柄は華やか。 御絵図とは琉球王府時代に宮古、 八重山、 久米島に貢納布 (御用布) を織らせるために描かれた図案見本のことを言う。
 新里代表は図柄や絣の特徴などを説明し、 「苧麻糸があって宮古上布ができる」 と糸の重要性を強調して合同開催を歓迎した。
 17日午後2時からは花城良廣氏 (沖縄美ら島財団理事長) による講演会 「宮古島の苧麻について」 が行われる。 2日間の会場では▽ブー引き体験 (苧麻から繊維を取り出す) ▽ブーンミ体験 (繊維を細かく裂き、 一本の糸に績む) ▽撚 (よ) り掛け体験 (績んだ糸に撚りを掛ける) ▽宮古上布の試着体験▽苧麻で紙漉き体験―などもある。

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