北朝鮮の人工衛星打ち上げを非難する玉城知事 =県庁

県内で被害情報なし 北朝鮮の人工衛星発射 知事「大変遺憾」

 【那覇支局】北朝鮮が21日夜遅くに人工衛星を打ち上げたことを受け、県は22日午前8時半、県庁で県危機管理対策本部を開催した。県が市町村、消防、警察、海上保安庁、陸上自衛隊に確認したところ、現時点で被害情報はないという。玉城デニー知事は「事前に発射期間を通告していたにも関わらず、通告期間前に発射を強行し、沖縄上空を通過するなど、県民に大きな不安を与えたことは大変遺憾だ」と北朝鮮を非難した。
 県内で被害情報はなかったが、那覇空港到着の最終便が約30分間、地上係員が屋内非難したことで駐機場の手前で待機となった。漁船5隻がJアラート警報後、危険海域近海を航行していたが被害はなかった。沖縄都市モノレールはJアラート発令時(午後10時48分~11時19分)、全線で運行を見合わせた。
 玉城知事は「引き続き被害状況の確認を行う。今後とも情報収集にあたるとともに国、市町村と緊密に連携し、県民の安全、安心の確保に全力で努めていく」と話した。
 防衛省によると、北朝鮮が発射した人工衛星の1発は複数に分離し、1つは朝鮮半島の西側の東シナ海、もう1つは午後10時55分ごろ、沖縄本島と宮古島の間の上空を通過し、同57分ごろ、沖ノ鳥島の南西約1200㌔の太平洋上に落下した。いずれも日本の排他的経済水域(EEZ)外だった。22日時点で地球周回軌道への衛星の投入は確認されていない。

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