宮古島市市民所得向上懇話会では経済面などについて委員から幅広く意見を聞いた =市役所

官民連携で市民の「稼ぐ力」を 市民所得向上懇話会開催

 宮古島市市民所得向上懇話会(座長・嘉数登副市長)の第1回会合が13日、市役所庁議室で行われた。同懇話会は「官民連携」で市民の所得向上への取り組みを進めるもので、委嘱した委員からは現状や課題などについて聞いた。時給アップの取り組みで人材確保がうまくいっている成功事例の一方、課題では人材確保や賃金を上げるためにはスキルアップなど人材育成が重要であるという意見があった。市では同懇話会での意見、提言は新年度予算の政策に反映させる方針。
 同懇話会は、市民の所得向上に向けて幅広い意見を聴取するために立ち上げたもので、委員は市、県、商工会議所、中小企業家同友会、建設業協会、職安、観光協会など17団体で構成されている。
 会の冒頭、嘉数副市長が「市民の所得向上に向けては市の取り組みだけでなく、皆さんの取り組みも大事であり、積極的に意見や提言をお願いしたい」などとあいさつした。
 会合は非公開で行われ、終了後に嘉数副市長が「経済会などから幅広く集まっていただき、所得向上への考え方、現状、課題などで意見交換した」と説明した。
 委員の話の中で「課題では従業員の賃金はスキルアップが伴わないと上げられない。高校を卒業し、就職や進学で島を出るがなかなか帰ってこない。それが人材確保の難しさの一つの要因。帰ってきてもスキルアップが足りないなどの厳しい意見もあった」と話した。
 人材不足で島外から呼びたいが、家賃が高いなどのデメリットの意見もあったという。
 成功事例では「時給をアップし、うまくいっている事例の紹介もあった。事業としてうまくいっており、しっかり人材確保しているとの紹介もあった」と説明した。
 市は所得向上への基本的な考え方として「稼ぐ力」の強化、地域経済の好循環と未来への投資を挙げている。
 外需で稼ぐことについては「量から質への転換を図り、観光消費額や満足度を向上させる」として八重干瀬および周辺地域自然環境の保全促進を行っている。内需で稼ぐことについては加工・流通の拠点を創出し、6次産業化に必要な仕組みを構築。成長への投資は生産農家の就業意欲と所得向上などを図っている。分配の促進は官民が連携して「稼ぐ力」の強化に取り組むことで、これが市民所得向上懇話会の設置となった。

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