コインパーキングとして使用されている旧平良第2庁舎跡地 =平良西里

目標反し床面積増加 公共施設管理 今年度中に計画改定 山下誠氏・一般質問

 宮古島市は公共施設の維持管理費削減などを目指し、2016年度に総合管理計画を策定している。計画で掲げている目標に反し、22年度末までに公共施設の床面積が増加していることが、25日分かった。同日の市議会一般質問で、山下誠氏に対する與那覇勝重総務部長の答弁。今年度中に計画を見直す予定を示す当局に山下氏は、後世の負担軽減のためとして「廃止すべきものは廃止するなど、き然とした対応をしてほしい」と求めた。

山下誠氏


 5市町村の合併で誕生した宮古島市は、類似施設などで多数の公共施設を有している。管理計画策定時点では施設が307件、延べ床面積は47万2000平方㍍あった。計画には17年からの20年間で、床面積16%縮減と明確に示されているものの、22年度末の施設数は305件、延べ床面積は49万7000平方㍍。解体や譲渡をした施設もある一方、建て替えや新設したものもあり、数で微減、面積は増加となっている。
 16年度では全体の25・7%に当たる78施設が、60%以上老朽化しているとして更新検討施設となっていた。うち9件を解体・譲渡した一方で、7年間で老朽化が進んでいる施設も多く、更新検討施設数は増えていると見込まれている。22年度における公共施設の光熱水費は8億3300万円で、維持補修費は3億5407万円。
 山下氏は「総合管理計画はとても良いものだが、読めば読むほど市の運営は計画にあっていない。縮減が明記されている延べ床面積も増えているのが現状」と指摘。閉鎖されている城辺トレーニングセンターを例示し「地域住民の理解を得ながら、廃止すべきものは廃止しないといけない。後の世代につけを回さないよう、き然とした対応で進めてほしい」と求めた。
 與那覇部長は公共施設管理について、「次の世代に大きな負担を残さないため、長期的な視点から計画的・効率的にマネジメントを推進していく必要がある。余剰施設の廃止や長寿命化など、市の財政規模にあった施設運用に努めていきたい」と答弁。今年度中に総合管理計画を改定する方針を示した。
 運営事業者を公募している旧平良庁舎には、複数の事業者が現地見学に訪れているという。参加申込締め切りは29日。

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