交流会に参加する板倉市上越区(前列)と城辺4小学校(後列)の児童の皆さん =宮古青少年の家

人頭税めぐり児童交流 板倉区(新潟県)と城辺の8人

 新潟県上越市板倉区の小学生4人らが17日、4年ぶりに宮古島に来島。城辺地域の4小学校代表の児童ら計8人と宮古青少年の家で合宿を開始した。市と板倉区の交流は同区出身の故中村十作が明治時代、宮古島民を苦しめていた人頭税の廃止に尽力したことから始まっている。児童らは青少年の家で共同生活を送るほか、市内の人頭税に関する史跡を巡り交流を深める予定。市のホスト校は福嶺小学校が務め、18日は同校で交流会も行われる。
 江戸時代最晩年に生まれた中村は、1892年に真珠養殖事業を行うため宮古島に移住。琉球王国時代から続く重い人頭税に苦しむ島民を見かね、廃止を訴える活動に注力した。琉球士族の激しい反発にあい運動が難航したため、島民代表らとともに上京。帝国議会に請願書を届けることに成功し、1903年の人頭税廃止につながった。
 宮古を離れた中村は生前、活動について口を閉ざしていた。1963年に城辺地区の旧砂川中学校から中村の実家に寄せられた手紙により、功績が知られることになったという。上越市板倉区にある生家近くに2005年、中村十作記念館が開館。さまざまな資料を収め功績を後世に伝えている。市では彼の業績を語り継ぐ施設は存在しないため、議会でたびたび設置を求める意見が市議から当局に示されている。
 市と同区の児童交流事業は1994年に開始。夏は宮古島、冬は上越市へと児童が互いに訪問し交流を深めていたが、コロナ禍の影響で3年間中断されていた。
 今年度は17~20日にかけて宮古島市に交流使節団を迎え入れるほか、来年2月には市から上越市を訪問する予定。両市の児童らは宮古青少年の家で17日、合宿開始のオリエンテーションを行い、夕食のカレーづくりに取り組んだ。
 18日は福嶺小での交流会のほか、宮古一円で人頭税をめぐる歴史を学ぶ。また地下ダム資料館見学のほか、前浜ビーチや伊良部島で観光も楽しむ予定。

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