(左から)國仲さん、座喜味市長 =市役所応接室

東久邇宮平和賞を受賞 点字ごみ袋開発の國仲智江子さん

 市の指定ごみ袋に指定されている視覚障がい者にも使いやすい点字つきごみ袋「ラッキーローズ」を開発した國仲智江子さん(60)がこのほど、知的財産の保護を促進し社会に貢献したとして東久邇宮平和賞を受賞した。國仲さんは7日、市役所に座喜味一幸市長を訪ね受賞を報告し、「市に採用され10年。これからも地域のために微力ながら頑張りたい」と話した。
 自身も緑内障の影響で視覚に障がいを持つ國仲さんは、2006年ごろから急激に視力が悪化したという。ごみ袋を開けるのに苦労するようになり、ごみ袋の開け口にドライバーなどで凹凸を付けたところ袋が開きやすくなる事を発見。自作の袋が東久邇宮記念会関係者の目にとまり、11年には同会文化賞を受賞している。
 國仲さんは11年の東日本大震災の際には被災地がごみであふれている様子を報道で知り、宮城県気仙沼市と岩手県釜石市に手作りの点字つきごみ袋500枚を寄贈した。その後は盲学校へも寄贈するなどして反響を呼び、13年には市の指定ごみ袋に採用された。現在は年間50万枚以上の生産量を誇る。
 生産は、市内の障がい者就労施設2カ所で行われている。國仲さんは「大量生産にあたり企業などから話もあったが、障がい者の皆さんとともに頑張っていこうという思いで施設での生産を続けている。今後枚数が増えても、そこは理念として変えない」と話す。
 「ラッキーローズ」の由来について國仲さんは「私自身バラが大好き。ごみ袋でも幸せを感じてほしいし、皆さんに愛されるような名前にしたかった」と話す。そして「受賞のあと、同じような障がいを持つ人から『元気になった』などの言葉を頂いた。点字ごみ袋を続けてきて良かった」と話した。
 座喜味市長は「点字ごみ袋はわれわれ健常者が気づかない視点からの素晴らしいアイデアで、市のゴミ収集での実績も残している。受賞を機にもっと広まってほしい」と述べた。

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