荒波が打ち寄せる岸壁 =平良港

影響長期化で品薄懸念 台風6号、本島方面へUターン

 宮古島市には3日午後6時現在、台風6号の影響により、暴風・波浪・大雨警報が発表されている。台風は宮古島の北をゆっくりと西に向けて進んだが、Uターンして沖縄本島方面に向かう見込み。宮古島地方気象台の早期注意情報によると、波浪警報級の波が5日まで継続する可能性が高いという。7月下旬の台風5号でも船便の欠航が発生しており、影響が長期化することで食料品などの品薄が深刻化することが懸念される。
 台風5号では宮古島に雨風などの大きな影響はなかったが、7月26日に波浪警報が発表された。台風6号での同警報は1日午前4時台の発表。警報が連続して出た事で物流に影響が出たため、市内コンビニエンスストアでは、1日の段階で飲料水や保存食がほとんどなくなっている店舗も多かった。
 平良港では2022年度に、総合物流センターが供用開始。貯蔵能力向上で台風時の品薄解消に寄与するとされていたが、同年夏に相次いで台風が直撃した際、状況が変わっていないことが問題となった。市はこれを受け、港運会社などとセンターの活用を協議。常温で保存できる食料品の備蓄増強を取り組むとの方針がまとまった。
 市には5月末から6月にかけて台風2号が接近。その際、センターを所管する市港湾課は、食料品の備蓄などに活用するよう市内の小売店に事前に要請したという。各小売店の努力もあり、市議会6月定例会の一般質問では、「確かに状況は改善されていると感じる」と述べる議員もいた。
 今回の台風では、暴風警報が出た後も営業を続けていた市内スーパーもあった。2日午前の段階では、一部に欠品もあったものの、インスタントラーメンやレトルト食品、パックの白米といった保存食を選んで買うことができた。
 台風時の品薄対策に一定の改善が見られる宮古島市だが、5号との連続だけでなく、6号のUターンで影響が長期間におよぶ見込み。気象台によると、4日の波の高さは8㍍。5日まで警報が出る可能性が高く、6日も中程度という。
 貨物船の入港は見込めず、市内の物品不足が深刻化することが懸念される。

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