物件不足が家賃押上げ 単身用は3年連続下落 おきぎん経済研賃料動向調査

 おきぎん経済研究所はこのほど、2022年度版の賃料動向ネットワーク調査結果を発表した。宮古島市では、2K以上の広さの物件でおおむね前年度より賃料が上昇。増加率が最も高かったのは、3K~3LDK中古物件の7・9%。同研究所は、顕著な物件不足が家賃を押し上げていると分析している。一方、単身者用の新築物件は3年連続で下落した。市の同年度における貸家新築着工数は144件で、前年度比82・3%増加した。
 同研究所は年に1回賃料動向調査レポートを発表しており、今回で25回目。部屋のタイプを▽1R~1LDK▽2K~2LDK▽3K~3LDK―の三つに分類し、それぞれ新築・中古の動きを県全体と地域別にまとめている。
 市の2K以上の賃料は22年度、2K帯の中古が前年度比400円減とわずかに減少。2K帯新築2500円、3K帯新築4900円、同中古5100円とそれぞれ増加し、賃貸価格の増加傾向が続いている。
 単身用物件は19年度、前年度比28・4%増と急激に値上がりし、平均7万3300円と県内最高値となった。同年度の1R帯新築における県内平均賃料は5万1400円。市の新築賃料は3年連続下落しているが、22年度でも県平均を6900円上回っている。
 宮古・石垣の管理会社への需給バランス聞き取り調査では、1R帯では67%がやや不足、33%が不足と回答。2K以上では不足が100%だった。ファミリー向けの大幅な不足は今後も継続する見通し。
 市では21年度までも物件不足の傾向だったが、コロナ禍の収束に伴い県外からの流入人口が再び増加に転向したことで一層強まったという。同研究所は供給量に対して需要が大幅に上回っていることが、高い賃料設定につながっていると推測している。聞き取りでも、県外からの移住者増加が特徴に挙げられている。
 県全体での新築貸家の着工数は3920件。建築費高騰や人手不足が影響し6年連続で減少した。宮古島市では、ピーク時の18年度に1680件が着工。コロナ禍の影響もあり急速に減少に転じ、21年度は79件まで落ち込んだ。22年度は144件で、件数ベースでは県内11市中2番目に少ないが、増加率は3番目に高い結果となった。

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