一般質問で答弁する座喜味市長(中央) =市議会本会議場

「必要以上の煽りは困る」 地下水問題で市長苦言 市議会一般質問

 市議会6月定例会の一般質問では、複数の議員が宮古島地下水研究会が行った市の地下水における農薬含有量調査や陳情に基づいた質問を行った。最終日の29日、座喜味一幸市長が「提案は提案としてしっかりと対応するが、必要以上に煽られても困る」と苦言を呈する一幕があった。市当局は、検出された農薬は国の基準を大幅に下回っているとして、農薬汚染との指摘を否定。改めて市の水道水は安全であるとの認識を示した。
 厚生労働省は、水道水中に含まれる農薬などの量について、「生涯水道水を飲み続けても健康に害を及ぼさないと考えられる量」とする目標値を設定。また、基準を超える前に適切な対応が取れるようにするため、目標値の100分の1の精度まで検査することを原則としている。
 座喜味市長は「市民に対して安心安全をはっきりさせないといけない。かつては硝酸態窒素という課題があったが、緩効性肥料に変えるなどの取組を進め、問題ない状態まで低減した」と述べ、市における地下水の状況はむしろ改善されているとした。
 また検査精度の原則に触れ「目標値の100分の1以下まではやらなくていいという基準があるが、研究会の報告は数万分の1以下の精度で検出した数値を出してきている。提案は提案としてしっかりと対応し、市としても真摯に調査しなければならないが、必要以上に煽られても困る」と苦言を呈した。
 また「学術部会に判断を仰いでいるが、心配ないとの報告を受けている。地下水は安全で、農業生産現場や市民に対する不安に関してはちゃんとしなければならない。研究会と意見交換しながら、もう少し丁寧な発言をしていただくようにしていきたい」と答弁。その上で、「地下水は我々の命の水。しっかりと安心安全な水を確保していきたい」と改めて決意を示した。
 当局は地下水が農薬で汚染されているとの懸念を否定。また同研究会は陳情書で▽市には全国の4%、県全体の24%に当たる多量の化学農薬が出荷されている▽市が農薬購入費の7割を補助していることが農薬使用を助長している―と主張。この点を指摘した平良敏夫氏に対し、当局は「陳情書に示された数字の根拠が確認できない」とした。

関連記事一覧