千羽鶴を持参して献花する市民 =未来創造センター

平和希求し尊さ伝える 市で全戦没者追悼式

 「慰霊の日」の23日、宮古島市全戦没者追悼式及び平和祈念式典(主催・市、市教委)が、未来創造センターで開かれた。市戦没者遺族会の川満俊夫会長が追悼のことばを述べたほか、市の児童生徒が詩や作文を披露。終戦から78年が経過し戦争を知らない世代が大半を占める中、強い意志で平和を希求するとともに、その尊さを後世に伝えていくことを誓った。小中学生や一般市民も多く参列し、御霊の冥福を祈りながら献花を捧げていた。
 コロナ禍のため、20・21年の追悼式は市内各地域の遺族会代表と市関係者のみに縮小して実施。22年は80人の入場制限で行われた。4年ぶりの通常開催となった今年は、経済団体代表者のほか、小中学生や一般の市民など多数の参列の下、式を執り行った。
 川満会長は「我が国の歴史においてかつてない戦禍に見舞われた当時を思うと、胸が締め付けられる思い。戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継がなければならない」と述べた。
 また、ロシアによるウクライナ侵攻に触れ「遺族会が一番恐れていた戦争が始まり、人々が犠牲になっていることに強い憤りを覚える」として、「あらためて戦没者の犠牲の重さを受け止め、悲惨な体験を風化させることなく平和な日本を継承していかなければいけない」と話した。
 座喜味一幸市長は「時の経過とともに戦争の体験や記憶の風化が懸念される中、この式典を通して決意を新たにし、恒久平和の実現に向けてより一層努力していく」とあいさつ。
 平和メッセージで市長は、「現実に向き合い、平和を脅かす問題に一人ひとりが対峙し、積極的に平和を希求する意思を持つことが大切」として、「平和の尊さを後世へと伝え、愛する子や孫のために笑顔が絶えない、豊かな街づくりを目指す」と誓った。
 平一小6年の友利虹心さんが、「小さな私の大きな願い」と題した平和を考える詩を朗読。北中3年の長浜莉晏さんは「平和な日常に感謝を」、工業高校3年の勝連杏音さんは「私の中の『平和』」と題した作文を発表。みやこ少年少女合唱団は、昨年に続き平和を願う美しい歌声を披露した。
 一般参列者の献花も行われ、児童生徒などが祈りをささげた。千羽鶴を持参する市民の姿もあった。

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