スタートラインのブイを超えレースを始めるヨット =平良狩俣沖の海域

宮古島ラウンドに37艇 国際ヨットレース閉幕

 第19回台琉友好親善国際ヨットレースは15日、宮古島で第3ラウンドを実施。台湾の姉妹都市、基隆市から始まったレースの幕を下ろした。宮古島ラウンドには37艇が出走。市から出走した2艇はいずれも、それぞれのクラスで3位以内に入る好成績を収めた。座喜味一幸市長も、基隆市関係者らと現地でレースを観戦。終了後には市役所で邱佩琳副市長ら使節団と面会し、レースをきっかけとしたさらなる関係強化を誓った。
 レースは平良狩俣西岸と伊良部島の間の海域で行われた。スタートラインは、海上に浮かべたブイと渡真利将博実行委員長が乗る船の間。一カ所に静止していることができないため、午前10時の開始時刻に位置につけるよう各艇が調節。ぴたりと合わせてスタートダッシュを決める船もあれば、船首が進行方向にむいていない船もあるなど、ヨットレース独特の光景が見られた。
 向かい風と追い風では帆の張り方が違うため、コーナーブイ近辺では各艇のクルーが息を合わせて作業。少しでも短い距離を走ろうと、ブイ周辺が混雑する場面もあったが、ぶつからないよう互いに声を掛け合いながら船の動きを繊細にコントロールしていた。
 座喜味市長は「心配していた雨も晴れ、波も穏やかで良いレースができたと思う。観覧できるような環境づくりなどで市民の皆さんにも良さを知らせていけば、宮古にもさらにヨット文化が根ざしていくと思う」と感想を述べた。
 レース後には、基隆市の邱副市長らが市役所に市長を訪問。市長は戦時中には宮古から大勢の人が台湾に疎開していたことなどに触れ「基隆市とは元々とても親しい間柄だった。レース再開を機に、これまで以上に関係を強くしていきたい」と話した。
 また「官民を挙げて下地島空港への台湾直行便を誘致している。宮古に来てくれた観光客が一足伸ばして台湾に行けるようになるなど、互いにメリットが大きいので、皆さんにぜひ後押ししてほしい」と語った。
 邱副市長は「コロナ禍での中断にも関わらず非常に多くの選手が参加してくれ、改めてヨットレースの魅力を感じた。これを機に両市の友好関係がさらに強化され、文化的・経済的発展につながることを願っている」と述べた。

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