乾燥後、被害を受けた部分が黒くなった葉たばこ =下地葉たばこ共同乾燥施設

塩害受けた部分黒く 台風通過後収穫の葉たばこ

 台風2号通過後に収穫した葉たばこの乾燥が行われているが、塩害を受けた部分は黒くなって取り除かなければならず、収量・品質的に厳しい状況となっている。ほ場の位置によっては比較的被害の少ない農家もいたが塩害は受けており、十分に熟していない葉も目立ったという。
 下地の共同乾燥施設は10日で台風通過後に収穫した葉たばこの搬入が終了した。被害を受けた葉たばこも1週間の乾燥を終えたが、黒褐色の部分が目立ち、手で叩いて落とすという。同施設の職員は「取れる葉は取ろうと農家が頑張って収穫したが品質的には厳しい。被害を受けたものは3分の1以上が黒くなっている」と話す。「今期は新品種に変わって葉の重みが違っていた。全部収穫できれば豊作だった。2年連続の自然災害は厳しい」と顔を曇らせた。例年なら乾燥施設も最盛期で活気づいているが、来週には全ての乾燥が終わるという。
 上野宮国の共同乾燥施設では5日に搬入を終えているが、乾燥した葉たばこは黒い部分が目立っていた。職員は「乾燥しても葉の傷は黒くなってしまう。ひどい状態。まだ6~7割取っていない農家もいた。大打撃だと思う。自然には敵わない」と話した。
 今月1日に宮古島地方に接近した台風2号の強風で収穫期の葉たばこは被害を受け、通過後は塩害が進行して葉が茶色く枯れていった。例年なら収穫は6月末まで続く。県農林水産部が発表した被害報告では宮古地区の葉たばこの被害額は3億7800万円が見込まれている。

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