製糖操業が始まり搬入された原料のサトウキビ =沖縄製糖宮古工場

沖糖が製糖操業開始 初日は平均13.34度 生産量13万6千㌧予想

 沖縄製糖宮古工場(仲里典和工場長)は15日、2022/23年期サトウキビ製糖操業を開始した。同工場では今期の原料生産量を13万6千㌧(前期実績14万6790㌧)と予想している。初日は原料587㌧が搬入され、平均甘蔗糖度は13.34度、約6割が基準糖度帯(13.1~14.3度)以上となった。長雨が続いているためハーベスターが思うように稼働できず、同日と16日は原料搬入のみとなり、圧搾開始は17日を予定している。
 初日の甘蔗糖度の内訳は基準糖度帯が38.08%、14.4度以上が20.60%、13.0度以下が41.32%。今期、同工場の収穫面積は2446㌶(前期2450㌶)となり、平均単収は5・5㌧(前期5.99㌧)を予想している。
 同工場原料区では14日に一部の地域でハーベスターが稼働したが、15日は雨のため停止。搬入された原料のほとんどが手刈りとなった。仲里工場長は「前期も経験したが原料を確保しなければ圧搾できない。雨が続けば工場を稼働させる判断も難しい。天候を見ながらの操業になる」と話した。同工場の機械収穫の申込率は95%だが、手刈りも奨励する。
 糖度は前期開始当日の15.09度を下回ったが、サトウキビがまだ成熟していないという。仲里工場長は「長雨の影響なのか成長段階のように葉に勢いがある。年明けに冷え込みが来れば一気に糖度は上がると期待している」と話す。単収は9月の生育旺盛期の少雨傾向、2つの台風による被害の影響を挙げている。
 操業開始にあたって仲里工場長は「株出の面積が多くなった現状では天気が悪くても年内に操業を開始し、次期の増産につなげなくてはならない。今期も安全第一で操業したい。農家が丹精込めて育てたサトウキビから多くの砂糖を生産し、農家や関係機関の努力に応えたい」と話した。
 これで市内の全工場で製糖操業が始まったが、長雨の影響による原料不足で圧搾に入れない状況となっている。宮古製糖城辺工場は天候次第だが来週初め頃の圧搾開始を考えている。宮糖伊良部工場は15日までに手刈り原料882㌧が搬入され、19日からの圧搾を予定している。また宮糖多良間工場は20日から操業を開始する。

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