カツオの一本釣りの話で会場を沸かせた漢那くん =20日、マティダ市民劇場

島の個性豊かに発表 〝みゃーくふつ〟フェス好評

 美ら島おきなわ文化祭2022の一環として、宮古の宝再発見みゃーくふつフェスタ(主催・市実行委員会)が20日、マティダ市民劇場で開催された。第一部では漢那諒くん(伊良部島小学校4年)の「初めて行ったカツオの一本釣り」や仲間恒光さん(宮古高校2年)の落語「饅頭こわい」などさまざまな方言発表が行われ会場は笑いの渦に巻き込まれた。第2部では宮古島出身のプロミュージシャン下地イサムさんのコンサートが行われ拍手喝采が送られた。
 同フェスタは宮古の文化の基層をなし、先人たちの暮らしや知恵、精神文化が宿る宮古方言(みゃーくふつ)を宮古の宝として島内外に広く発信し、妙味や奥深さを味わい、次世代への継承に繋げる機会とすることを目的に開催された。
 座喜味一幸市長(大城裕子教育長代読)は「宮古方言ならではの妙味を子どもから高齢の人まで全ての世代が共有することで『みゃーくふつ』の継承に繋げることを目的にしている。出演者の話の内容も楽しみつつ、それぞれの地域ならではの独特の表現に耳を傾けてほしい」とあいさつした。
 第一部は県しまくとぅば普及センター長の狩俣繁久さんの方言講座で始まり、先人たちがみゃーくふつに込めたメッセージや魅力について伝えた。また大神島出身の伊佐照雄さんの「大神島の伝説と行事」の話しや西原コーラス百合の会による方言で歌う「市歌」、「ふるさと」など個性豊かな発表が次々披露され会場の観客らを魅了した。
 頭にタオルのねじりはちまき姿で登壇し観客を釘付けにした漢那くんは、4年生になったら漁に連れて行ってもらう約束を一本釣り漁師の祖父としたことや初めての漁での出来事を流暢な方言で表現した。自作の船「第五喜翁丸」に乗りカツオの一本釣りをする自身の姿を再現すると大きな拍手と笑いが会場を駆け巡った。
 漢那くんは「ドキドキして緊張したけど頑張って伝えた」と笑顔を見せた。
 漢那くんの発表を楽しそうに聞いていた平良在住の宮国恵徳さんは「佐良浜でよく使われている方言で上手に話していたから良く分かった」と話した。
 美ら島おきなわ文化祭2022は27日まで行われる予定で、宮古島市では27日にマティダ市民劇場で開催される宮古芸能選が最後となる。

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