機関砲実弾の誤射があった巡視船「しもじ」(左側) =伊良部池間添の長山港

機関砲を陸地側に誤射 宮古島海上保安部所属の巡視船

 宮古島海上保安部によると、19日午前11時10分ごろ伊良部池間添の長山港に停泊していた同保安部所属の巡視船「しもじ」に搭載している20㍉機関砲を乗組員が点検中、誤って陸地側に向けて実弾8発が発射された。宮古島海保が同日午後、発表した。被害状況を調査しているが、これまでのところ、けが人や民間施設への被害などは確認されていないという。誤って実弾が発射された経緯および原因を調査している。

船首に搭載された機関砲(右端職員の後方)や岸壁を検証する関係者


 現場となった長山港北東側の岸壁には、宮古島海保所属の巡視船が数隻停泊している。当時は岸壁側に「しもじ」、海側に「ながやま」の2隻が並んで停泊していた。誤射は東側付近にある船艇用品庫付近のやぶ向けと見られている。
 宮古島海保は現場に職員らを派遣して「しもじ」の船首付近に搭載されている機関砲や台座付近、周辺の検証を実施。停泊する岸壁付近を交通規制した。
 長山港前の県道平良下地島空港線は伊良部大橋開通や下地島空港ターミナル開港、リゾート開発などに伴い市民の乗用車や観光客が利用するレンタカー、大型トラックなどの往来で交通量が増加。誤射の時間帯も多くの車両が行き来していたと見られる。
 現在、港入口付近の道路の急カーブ解消のため大掛かりな工事が進められている。誤射が発生した当時、近くで作業をしていた60代の男性は、「大きな音がして何かあったのかと思った。花火が打ち上げられた時の音に似ていたが、まさか機関砲とは思わなかった」と驚いた様子で語った。
 宮古島海保では、「このような事案は決してあってはならないことであり、保安部を挙げて調査を進める。市民には不安を与えてしまったことを深くお詫びする」と謝罪している。

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