デザートのマンゴーを手に笑顔の児童ら =東小学校

宮古島全小中で給食にマンゴー 県産品奨励月間ちなみ

 宮古島市(座喜味一幸市長)は15日、県産品奨励月間にちなみ、市内の全小中学校の給食で冷凍マンゴーを提供した。学校給食での地元食材活用などに取り組む市産業振興局が無償提供したもの。マンゴーは給食の材料費内に価格が収まらないため市の予算を使っているが、自立した供給が可能になった地元産品もある。同局は引き続き給食での地産地消拡大を図る方針。給食の時間には「マンゴーおいしい」と喜ぶ子どもたちの笑顔が見られた。
 今年度の奨励月間のテーマは「チムドンドン魅力がいっぱい県産品」。この日は提供のマンゴーのほかに、モーウイや伊良部漁協産のマグロメンチカツなど、宮古島産の食材を活用する地域もあった。下地地区では14日を「琉球料理の日」として、モーウイやマグロフライに加え、アーサ入りジューシーとゆし豆腐がメニューに並んだ。
 産業振興局は昨年に引き続きマンゴーを無償提供したことについて「給食に出せる価格まで下げられなかったが、宮古の特産品であるマンゴーを子どもたちに食べてもらい、地域の特産物に関心を持ってもらう目的で行った」と説明。
 伊良部漁協は、加工場にHACCPの考えを取り入れた衛生管理計画を作成し、食品衛生監視員の検査結果も基準をクリア。3月には全調理場の献立にマグロフライやフレークなどを提供できた。学校栄養士から高い評価を得られたため給食の業者登録を行い、今年度からは市の手を離れて食材提供を行っている。
 野菜・果樹はJAおきなわ宮古地区本部が事業主体となり実施。下処理に手間のかかるカボチャやインゲン、紅イモなどの一次加工を行い、3月には全調理場に提供できた。原料の安定確保や価格について、農家との合意形成を図りながら加工体制を強化する必要があるが、調理場側の要望に対応できる体制確立に課題を残しているという。
 宮古島漁協産モズクの活用などを進めている同局は「引き続き実証を進め、給食での地産地消を拡大していきたい。マンゴーも提供を継続することでコストダウンを図り、給食に見合う値段にできないかという狙いもある」と話した。
 東小学校では、「とてもおいしい」「カレーとマンゴー最高」と話す子どもたちの笑顔が溢れていた。

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