地下水の分析結果などを説明する友利共同代表 =28日、県農業共済組合宮古支所会議室

地下水研究会 水道水から微量農薬検出と発表

 宮古島地下水研究会(友利直樹、前里和洋、新城竜一共同代表)は28日、市内で採取した地下水や水道水、住民の尿を調査分析した結果、非常に微量ながら複数の農薬成分が検出されたと発表した。国の1日摂取許容量は下回っており、すぐに健康被害はないものの長期飲用による影響を懸念し、行政に農薬に関する地下水のモニタリング調査などを求めた。
 調査は昨年11月~今年3月に行われ、水は市内9カ所の湧水や井戸、貯水池、1カ所の水道水、尿は50代~80代の男女10人から採取。農民連食品分析センターが分析を行った。結果、湧水などでは約40~180ナノ㌘/㍑(ナノ㌘は10億分の1㌘)、水道水は約40ナノ㌘/㍑の農薬成分を検出。尿は9人から0・3~11・1マイクロ㌘(マイクロ㌘は100万分の1㌘)の農薬及び代謝産物が検出されたという。
 県農業共済組合宮古支所会議室で分析結果を発表した同研究会の友利共同代表は「非常に微量ですぐに健康被害がある訳ではないが、予防原則に基づき早急な対策が必要」と主張し、地下水水質モニタリング調査による農薬濃度調査、農薬散布時期や降雨後等を考慮した年間モニタリング調査の定期的な実施、その結果の公表を求めた。
 オンラインで出席した新城共同代表は「市が継続的に宮古の地下水がどういった状態なのか分析してほしい。市と協力して対策をしたい」と話した。

関連記事一覧