津波の影響で杭が抜けて流され、ブイが一直線になったモズクの網 =平良狩俣

トンガ沖火山噴火 狩俣でモズクに被害

気象庁によると南太平洋トンガ諸島付近の火山の大規模噴火に伴い、宮古島平良港で16日午前0時4分に30㌢の津波が観測された。津波の影響により平良狩俣では養殖モズクの網が230枚流される被害が発生した。16日未明の津波注意報発表を受け、宮古島市や多良間村では住民に海岸に近づかないよう呼び掛け、自主的に避難する住民もいた。

 宮古島市や宮古島漁協によると、平良狩俣では2カ所でモズクの網が流された。このうち約130枚が被害にあった漁業者(65)の養殖場では、通常なら四角形に張られている網が鉄筋の杭が抜けて浅瀬に引っ掛かり絡まっているという。「2月半ばには収穫する予定だった。よく育って量が多かったので流されたのかもしれない。網は絡まって修復できないので廃棄するしかない。モズクも商品にならない」と残念そうに話した。
 多良間村では津波注意報の発表とともに防災無線で注意を呼び掛けた。これを受けて緊急避難場所の村コミュニティー施設をはじめ八重山遠見台、浄水処理場など高台に自主避難する住民もいた。宮古島市は防災メールやSNSなどで市民に注意喚起した。
 津波注意報は16日午前0時15分頃、北海道から沖縄地方など太平洋沿岸の広い地域に発表され、同日午後2時までに解除された。宮古島地方気象台では海面変動がしばらく継続すると見込まれるため、海に入っての作業の際は十分留意するよう呼び掛けている。

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