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日本の中国人移民それぞれの事情、「子どもに日本国籍を取らせたい」「日本人に悪人いるが中国より少ない」

日本における中国人の存在感が増している。法務省によると、日本に居住する中国国籍の人は約90万738人(2025年6月末現在)で、日本に住む外国人の中で最も多い国籍となった。

注意深く観察すると、日本のさまざまな場所で中国人や中国資本の影が見える。そして独自の経済圏を作りつつある。その巨大な力が何らかの意図を持って、日本にとって悪い方向に動き出したらどうなるのか。

中国人富裕層・中所得者に日本移住が人気、日本で数千万円納税する人も

東京都の文京区、足立区に住む中国人男性2人の話を聞いた。文京区は東大など多くの大学が立地する文教地区で、家賃も中古賃貸の1LDKで月20万円前後(後楽園駅近く)と高い。足立区は住宅街で、同条件で月8万円前後(竹ノ塚駅近く)と、東京23区内では安い。

表面的な取材だが、彼らが何をしているのか、何を考えているのかの一端をのぞくことができた。取材源の秘匿のために、情報は一部をぼかした。

文京区に住む30代の中国人経営者は、在日は8年だがそれ以外にも大学時代の短期留学と日本企業での勤務経験がある。中国の理系有名国立大学の出身だった。かつては日本企業に勤め、東京で研究や技術翻訳をしていた。

日本語はなまりがあるが流ちょうだった。8年前に起業し、当初は高度人材向けの通称「技人国ビザ」、在留資格「技術・人文知識・国際業務」で滞在していたが、今は「経営者ビザ」、在留資格「経営・管理」に切り替えた。

子どもの未来のため文京区に住む

この人の日本での仕事は、コンサルタント業だ。仕事の中身は自らはっきりとは言わなかったが、間に入った日本人によると、中国人が日本で会社を立ち上げる時や、起業後に支援をしていて、かなりもうかっているという。

日本に住んだ理由は、中国の政治・社会の怖さを感じ、そこから逃げ出すためだそうだ。中国共産党の一党独裁が長く続くとは思えず、崩壊後の混乱に家族が巻き込まれることを懸念していた。また日系企業に勤め、日本で情報を収集して、中国共産党の統治の怖さを知ったという。

「私の小学生時代から反日教育がひどくなった。しかし『鬼』と言われた日本人が皆優しかった。中国では密告の恐怖がある」という。複数の小学生の子どもがいるが、日本語が母語になりつつあり、子どもは日本国籍を取らせたいという。住む場所に文京区を選んだのは、公立小学校の程度が高く、子どもの教育に有利なためだ。子どもは中学受験の準備をしている。

同郷人のネットワークが支える

別の40代の中国人の話を聞いた。この人は日本に20年以上住んでいる。この人は足立区内で中華料理店を2つ経営している。一つは駅前にある日本人向けだが、もう一つは中国人が集住する場所の近くの商店街にある。

「一つは味を中国人向けに濃いものにして、郷土料理を出していた。最近はその味を面白がって日本人も来るようになった」という。この人の日本人向けの店で食事をした。料理の味は普通だが、値段が少し安く繁盛しているようだった。料理人が中国人で人件費を抑えている。

日本に来た理由は、中国で学んだ高校で成績が平凡で良い大学に入学できそうになかったためという。「別の国に行ったら展望が開けるかと思った。当時は何も考えていなかった」。

2000年ごろに来日して、日本語学校に通って大学入学の可能性を探った。その頃に出会った中国人で永住資格を持つ女性と結婚した。その女性の家が貿易と料理店を経営していた。そこで料理を学び独立して約20年が過ぎた。

この人は満州国時代に曽祖父が日本人に土地を奪われてひどい目に遭ったと家族から聞かされていた。「それほど気にしていないし、日本ではそんな差別はなかった。感謝している」と、私の前では親日的だった。

独立した日本国内で経済圏を作る

2人に商売での背景を聞いた。送金、決済などの金融業務では、2人とも地元信用金庫と取引しているが、以前からの中国人同士の金融ネットワークを活用しているという。

中国人同士の私的なお金の貸し借り、また積み立ての資金を仲間内で融通する昔の日本の「講」(こう)、「無尽」(むじん)のようなまとまりがある。

国内外の送金に、少額の場合には、この私的な金融ネットワークを使っているようだ。また中国から資金を外に持ち出すことは規制でかなり難しい。さらに外国からの送金は可能だが手数料でお金を取られるという。その規制をかいくぐるために使っている。

また手間のかかる送金に対応する工夫があるようだ。コンサルによると、在留中国人が中国から物資を日本に輸出して、それを売って現金化し、日本に資金をプールして回転させているという。

「換金して日本にお金を貯める意図があるため、安く売っている」と説明していた。日本での中国製品の安さは、これが理由の一つかもしれない。このように日本で中国系の見えない資金が増加していく。

この私的な金融ネットワークについては日本国内では違法の可能性はあるようだが、詳細については2人とも口をにごした。

地縁・血縁を重視するわけ

またお金の使い方も聞いた。料理店主は「中国では不動産バブルが崩壊して数年経つが、まだ日本より金利は高くまだ新しい投資先がある。華僑を通じて、東南アジアや中央アジアへの投資話もある。そうしたグループに金を入れると、少し高めのリターンが得られる」と話していた。彼らは国を信じていないし、視野が華人ネットワークを通じてかなり国際的だ。

働く人については、この料理店主は自分の出身地の中国東北部の省から、また妻の一族の出身地の南部の省から、地縁や血縁を使って人を呼び寄せているという。「働く人が問題を起こすとその紹介者が責任を負うし、事前に身元の調査もできる」と話していた。

中国人は地縁、血縁を重視するとされるが、異国で裏切られないようにするための工夫だった。

「悪い中国人は日本で、日本人に対してよりも先に仲間の中国人に悪さをする傾向がある。日本人は異国で日本人に警戒感を緩めるが、中国人はそんなことはない。だまされないように警戒している。日本人にも悪人がいるが、中国より数は少ない印象だ」と述べていた。

持ち始めた巨大な力で日本への悪影響が起きたら

私は日本におけるクルド人問題の取材をした。彼らは集住する埼玉県で、素行が悪く住民とトラブルを起こしている。また大半が日本人に対して攻撃的だ。

しかしそうした問題のある外国人労働者たちと全く違う印象を、この2人から受けた。もちろんクルド人、中国人全てがそうだとは思わないが、明らかに傾向が違った。

「賢くて高スキル、定住志向、自分の将来を考える、行儀が良い、日本語を話せて読み書きができ、日本に好意を持つ、清潔」という、クルド人から受けた印象とは真逆のものだ。

彼らは日本の中で、一般の人には見えない中国人の経済圏を作っていた。日本と中国の政府がいずれも把握しづらそうだ。そうした私たち一般の日本人の見えないところで、外国人が日本国内で力をつけている。

中国人の持つ賢さ、資金力、そして数の多さが日本の中で悪い方向に影響力が行使されたらどうなるのか。侵略傾向を持つ本国の意向に、彼らが政治的に従わざるを得なかったらどうなるのか。そんなことに少し怖さを感じる取材だった。

文/石井孝明 内外タイムス

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