• 全国
  • 韓国・李在明大統領のSNS投稿が爆増 高支持率のメキシコ大統領に感化、一方通行の批判も
  • HOME
  • 全国
  • 韓国・李在明大統領のSNS投稿が爆増 高支持率のメキシコ大統領に感化、一方通行の批判も

韓国・李在明大統領のSNS投稿が爆増 高支持率のメキシコ大統領に感化、一方通行の批判も

韓国の李在明大統領によるSNS発信が爆発的に増えている。

2026年9月のメキシコ訪問後に目立っており、9月28日から10月2日17時までの5日間でX(旧Twitter)に31件、9月30日にはこの日だけで9件に達した。10月に入ってからも、わずか4日間で21件が投稿されている。

投稿は、政策の成果や政府の取り組みに関するものだけではない。自身に対する批判への反論もあれば、外交問題への言及もある。「北朝鮮軍捕虜の韓国送還」をめぐっては、ウクライナ側の対応を批判した。深夜に投稿することもあり、国家元首の発信としては異例の「個人発信型」だ。

朴正熙狙撃から52年…「文世光事件」映画が韓国で波紋 大阪の派出所から盗まれた拳銃と韓国政府が要求した朝鮮総連の“解体”

「私を救ってくれたのはSNS」

この突然の「SNS急増」は、メキシコのシェインバウム大統領から受けた影響だ。このことは韓国大統領府も認めている。

李大統領はシェインバウム大統領と会談し、70%前後の高い支持率を維持している秘けつを尋ねた。シェインバウム氏は、国民と直接会い、野党とも議論することの重要性を説明したという。

ただ、SNS攻勢の背景には、李政権を取り巻く厳しい世論があるとの見方がもっぱらだ。

世論調査によれば、不動産対策や人事の失敗が響き、李大統領の国政遂行に対する肯定評価は一時33.8%まで低下、否定評価は60%を超えた。その後、国連総会出席やメキシコ外交などを経て37.9%まで回復したものの、否定評価はなお60%に達している。

李氏は9月18日、異例の公開記者会見を開き、国民との意思疎通が十分でなかったとして謝罪しているが、その後、むしろSNSによる直接発信を強めている。SNSなら既存メディアを介さず、自分の言葉を直接国民に届けられると考えているからのようだ。

事実、李大統領は「マスコミが事実をわい曲し、虚偽の事実で攻撃した時、私と国民をつなぎ、真実を知らせ、私を救ってくれたのはSNSだった」「私を今のこの地位まで導いたのもSNSだった」(9月30日)とまで説明しており、SNSへの傾倒はますます深まっている。

メキシコ大統領は記者会見をYouTube生配信

しかし、支持率低迷の中で投稿が増えれば、政権批判への反論や自己弁護と受け取られかねない。保守系野党「国民の力」は、「SNS空間ではなく、実際の国民生活の中に現実がある」と主張。SNSに時間を割くより民生経済への対応を優先するよう求めている。政権に近いジャーナリストも、SNS頼みに危惧を表明している。

重要なのは、李氏が影響を受けたというシェインバウム大統領の取り組みだ。

彼女は平日の朝に長時間の記者会見「マニャネラ(早起きの意味)」を開き、記者の質問を受ける。政策を説明するだけでなく、批判や反論にもその場で答えている。そしてその模様をYouTubeで広く生中継している。

シェインバウム大統領の「直接政治」をそのまま真似する必要はないにしても、SNSによる一方的な発信で終わっていない点は重要だ。

高市政権も力を入れる「直接広報」

日本でも同じ問題が浮上している。

高市早苗首相は、想定外の質問が飛んでくる記者会見を避けて、SNSでの発信に重点を置いている。「一方通行の投稿に閉じこもり独善を深めぬよう、幅広く国民や周囲の声に耳を傾けて欲しい」(朝日新聞社説)との指摘も出ている。

さらに高市政権はSNSや動画による政府の直接発信を強化しており、2027年度予算の概算要求で、内閣広報室の予算として72億円が計上された。2026年度の10倍を超える異例の規模だ。新聞やテレビを介さず、国民に政策を直接伝えるのが狙いだという。

SNSが国民との意思疎通に効果があるのは認めるが、厳しい質問を受けることも政治家の責任だろう。李大統領も高市首相も、一度シェインバウム大統領の記者会見をじっくり見て、「対話の姿勢」を実感してほしい。

文/五味洋治 内外タイムス

関連記事一覧